【JATO 日本人ATC リレー形式紹介企画 Season 2 スタート】
2020年6月15日
ご機嫌いかがでしょうか。
第34回目となる今回は、現在、JISS(国立スポーツ科学センター)のパラリンピック競技担当トレーニング指導員をされている大石益代さんです。アスレティックトレーナーになろうとしたきっかけから、学生時代のお話、そして現在の働き方など興味深く聞かせていただきました。是非一読下さい!
いまだに寒い毎日がつづきますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
先月は都内で予約制のパーソナルトレーニングジムを経営しています出口さんにインタビューにお答え頂きましたが、今月は日々障害者の方々の機能向上に励んでいます菅原さんに登場頂きました。是非一読頂ければと思います!
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
多くのATCを志した人と同様に私もユーススポーツ時代に多く怪我をして、トレーナーに出会い、そして仕事の素晴らしさを知ったからです。
私の場合は中学時代にクラブチームでサッカーをしていた時に、トレーナーの方に出会いました。当時怪我を多くする選手だったので、トレーナーと関わる時間が多く非常に身体的にも精神的にも支えられたのを覚えています。
当時支えてもらったように、スポーツ選手を支え、彼ら彼女らの力になるためにはどうしたらいいのか?それを考えていたら、ATCという選択肢に出会いました。
私は学生時代英語が一番苦手な教科だったので、絶対海外なんていくものかと思っていましたが、ATCという選択肢を見つけた後は、国内の進学よりも自分のゴールに近づけると思ったのでアメリカに行くことを決めました。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
色々印象に残っている出来事はあるのですが、自分自身のユニークなエピソードは主に3つです。
1つ目は学生時代です。夏休み時のアメフトのキャンプに入る前、消化器官系の病気にかかってしまい、ずっと体を壊しながら一番帯同時間が長いキャンプに参加していました。
その時は痛み止めを毎日飲みながら生活していて、常に疲労困憊でしたので非常に苦い思い出です。(笑)
結局学期が終わるまで手術を待たなくてはいけなく、その状態でセメスター過ごした事は自身の身体ケアの重要性を再認識させられました。
また卒業後に以前このリレーでも紹介されていた石井さんが勤めていたスポルティングカンザスシティーでインターンさせて頂いた事は、自分の人生にとって非常に貴重な経験かつ分岐点でした。
学生上がりだった自分に、知識技術のみならず、仕事の向き合い方やプロフェッショナリズムなど根本的な事から手取り足取り教えて頂いたのは今でも鮮明に記憶に残っており、自分の軸になっています。
石井さんをはじめスポルティングカンザスシティーのメンバーには感謝が尽きません。
3つ目は帰国後です。帰国前まではプロチームでの活動をぼんやり考えていましたが、帰国後は偶然障害者がトレーニングを行う機会を目にしました。あまり自分が経験してこなかった風景ではありましたが、ここではプロチーム以上の達成感が味わえるのではないかという感覚があったのを鮮明に覚えています。
そこが障害者と関わる分岐点となり、今があります。
一般的なATCの道から外れるのは少し怖かったですが、自分自身が面白そうと思える道を選択し、それが今につながっているので、この選択をして良かったと心から思っています。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
現在は障害者専門での「株式会社ユニバーサルトレーニングセンター」という会社を設立し、日々障害者の方々の機能向上に励んでいます。
多くの方は事故や病気で後遺症を負ってしまい、お医者さんから「もう二度と歩くことができません。」「もう回復しません。」などと言われてしまう方がほとんどです。一般的なATCがケアをする人達とは真逆の層だと思います。
そういった障害がある人達はいざ運動がしたいと思っても安全面の理由で施設利用を断られてしまいます。それ以前に、階段やスペースの環境面の問題なので施設に入ることすらできません。
私はこの現状を変えたいと思い、事業をスタートしました。
私達が行っているのは訪問方のパーソナルトレーニングです。上記のようなハード面の問題を解決するために、クライアントのご自宅又は希望場所に出向きトレーニングを行います。事故や病気などで運動機能障害を負っている箇所に対しての他動的な運動、そして全身運動を提供します。そういったことで障害者の不可能に挑戦し、不可能から可能になる瞬間を目の当たりにした時には何事にも変えられない喜びがあります。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
日によって訪問箇所はそれぞれ違うので、大体1日に2、3件訪問します。
一件目のスタートが大体9時か10時くらい。そこから2時間ほどトレーニングを行い、別の場所へ移動します。現在利用者は東京千葉埼玉の方が多く、中には片道2時間かかる場所へも伺います。そして一件目が終わったらその足ですぐ2件目へ移動します。2件目のスタートが大体14時ごろ。これが終わると最後のセッションへ向かい終わるのが大体20時ごろになります。訪問先へ向かう移動時間や空き時間があるので、移動中にスマホでカルテやメールなどの事務作業を行ったり、パソコンでウェブサイトの記事や動画を編集したりします。会社設立にあたってトレーナー業務以外の雑務も発生しますが、新しいことにチャレンジするのは比較的好きな方なので、そのプロセスを楽しみながら色々なことにチャレンジしています。
---菅原さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
自分の軸を忘れずにいられる大切なコミュニティーだと思っています。
他職業とは違い、多くの場合ATCは職場で1人、もしくは多くても数人でしょう。他職種であれば、同じ資格が持っている方や同じバックグラウンドを持っている方が同じ職場に数十人いることも珍しくはないと思います。もともとの母数の違いもありますが、やはりチームや会社にATCは数人しかいないので、主導権を得るのも共感を得るのも難しいこともあるかと思います。ましてや個人活動が多い人は同じ感覚で相談できる相手や機会も少なくなってしまいます。そんな時、自分の軸を忘れずにいられるのがJATOというコミュニティーだと思います。帰って来れば、いつも同じバックグラウンドを持った人たちと同じ目線で将来を語り合える。そんな安心できる場所です。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
チャレンジングな環境の中逆境を打破してきたトップレベルの方々に接することができる数少ないコミュニティーだと思います。クリニカルな知識経験はもちろんのことですが、それ以外にもトップレベルの人から学べる事は多々あります。コミュニケーション、チームビルディング、営業、マネージメントなどなど日本人ATCというマイノリティーな人種がアメリカ・日本社会にどう影響を与えてきたか。私は日本人ATCの一番の凄さはゼロから環境を作ってきた点にあると思います。そんな歩みを感じられるコミュニティーは他にはなかなかありません。そういったことを肌で感じ学べる事は大きなメリットですし、職場や社会で自分が経験しているシチュエーションでも応用できることが多いと思います。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
僕は至って普通の学生生活を送り、何も特別なことをアメリカで成し遂げてきていません。
そんな僕でも多くの人に支えられここまできました。
一つだけ僕が気をつけていたことと言えば、何事もすぐに挑戦するということだけです。
わかりやすくいうと「フットワークの軽さ」ですかね。
失敗を恐れずに挑戦すること。何が成功で、何が失敗なのかは数十年後に振り返ってその時初めてわかるものだと思っています。
例えば、嫌いな上司から難癖つけられている時でも、ただただ時間の無駄と思いその時を過ごすのか。それとも、この人はこういう所が良くないと思うので、自分もそうならないように悪い例として参考にしよう。と考えられるのか。
何事も100%無駄な経験はないと思っています。
スティーブジョブズはコネクティングドッツだと言いましたが、色々な一時的な良いところ悪い所だけを見ずに、何事も挑戦すること。そしてそれぞれの経験に関係性を見つける事。私はそれが重要だと思っています。
授業での質問、インターン、異文化への触れ合い、友人関係、仕事、遊びなどなんでもいいです。
ですので、学生の皆さんも失敗を恐れず、むしろ失敗のために色々な事にチャレンジして欲しいなと思います。
菅原さん、お忙しい中インタビューにお答え頂き誠にありがとうございました。菅原さんを見ていると、本当に今の仕事が好きなんだな!という印象を受けますが、今の道を選択する時に、“一般的なATCの道から外れるのは少し怖かった”という事を考えていたのは意外でした。これからも新しい道をどんどん開拓していき、世の中の困ってる方々のサポートを宜しくお願い致します!
当企画は、来月で最終回になりますが、次回は菅原さんの大学の大先輩で、日本人ATC界で必要不可欠な方に登場頂きますので、楽しみにしていて下さい!
暖冬とはいえ、厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。先月は“ガッツがある女性”アスレティックトレーナーとして活躍されている井上かなえさんでした。今月、井上さんからバトンを引き継いだのは、独立開業しLEBO Conditioning Salon代表をされている出口直明さんです。是非一読下さい!
師走の慌ただしい季節となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今月インタビューにお答え頂くのは井上かなえさんです。東海大学を卒業後、ネブラスカ大学オマハ校大学院に進学、バスケットボールチームを中心に活動して現在は東京都世田谷区下北沢にピラティス&パーソナルトレーニングスタジオ『STUDIO TORCH』を構え、養成講座などを行い活躍されています。下記に質問をしていますのでご一読ください。
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
高校生の時から漠然と「トレーナーになりたい」という夢はあったものの、調査不足でどこでどうやったらなれるか分からずひとまず日本の大学に進学しました。卒業してからネブラスカ大学オマハ校の大学院へ進学しました。
ATCになろうと思った理由は、ATCとしての役割を担う人がバスケットボール選手だった時に周りにいなかったからです。ケガをした時、トレーニングをもっとやりたい時、栄養面のことを知りたい時に聞く人がいなかったので全て自分で本などを調べて勉強しながら選手生活をしていました。楽しかったけれど、「こういうことを教えてくれる人がいれば選手はもっと楽だろうな」と思ったのがATCになろうと思ったきっかけです。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
大学生時代は日本で、大学院時代はアメリカで、学生アスレティックトレーナーとして6年過ごしました。ネブラスカ大学大学院はとにかく勉強とインターンとの繰り返しで、精神的にも本当に辛かったのであまり覚えていません(笑)。語学力もそこそこのまま大学院に入学できたことは奇跡に近かったですが、その分苦労しました。でも、ATCになるという目標は絶対に通過しなくてはならなかったので、ほぼ根性だけで卒業しました。もう2度と同じことはできないと思います(苦笑)
日本に帰国してからJALの女子バスケットボールチームで1年フルタイム、そして母校である東海大学でパートタイムで勤務し始めたのですが、契約していた男子バスケ部が数年ぶりに日本一になれた瞬間に立ち会えたことが一番仕事をしていて印象に残っています。東海大学SEAGULLSはアメリカの環境をそのまま再現したようなチームなので、とても仕事がしやすく楽しかったです。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
現在は、下北沢にピラティスとパーソナルトレーニングのスタジオを経営しています。また、一般社団法人を立ち上げ、パーソナルトレーナー・インストラクターの養成講座を行ったり、企業研修の講師として活動しています。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
1歳の息子がいるので朝、保育園にお見送りをし、そのままスタジオに向かってパーソナルトレーニングセッションをします。日によって違いますが、平均5〜6本、多い時には10本ほどセッションをします。空いた時間に事務作業をしたり、広報活動をしたりと様々です。また、週末は養成講座やセミナーを行い、後進を育てる活動を行なっています。夜は18:00頃には仕事を終えて子供を迎えに行って帰宅し、食事の準備や家事などをする…という、一般的なワーキングマザーの生活です。
現在、週に1〜2日休みを取っているのですが、その日は仕事のことは忘れて、子どもと遊びに行くことが多いです。
数年前までは、朝から晩までスポーツ現場に出ていたり、帰宅が24時近くになることも多かったですが、今のライフスタイルがだいぶ定着してきました。
---井上さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
JATOではシンポジウム委員も数年前に勤めさせていただいたので、委員の皆さんにたいへんお世話になっています。私にとってJATO、ATCの仲間はまさに『同志』という存在です。ATCができること、知識の幅は日本の社会にとってプラスの力になると思っているので、同じように考えている人たちと意見交換をしたり情報共有することは私にとっては必要な刺激になっています。
私は今はスポーツ現場からは離れていますが、「ヘルスケアプロバイダー」という立場で多くの方と関わっていきたいと考えていますし、スポーツの世界はもちろんのこと、ヘルスケアの分野でも貢献できることをどんどん見つけていければと思っていますので、JATOの会員さんと将来何かできれば…と妄想しています!
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
日本でなかなか知り合うことが難しい「ATC」と繋がれるチャンスです。そして、JATOに加入しているATCの方は、みんな日本のスポーツ界に貢献したいと心のどこかで考えている人が多いと感じています。もっとつながりを持ってコミュニティの力を大きくしていけたら良いなと思っています。
私自身のATCになろうと思った経緯とも関係していますが、日本の学生スポーツ界はまだまだ安全管理という点で至らない点が多くあり、アメリカでアスレティックトレーニングを学んだ身としては、「こんなあり得ないことが当たり前の日本をなんとかしなければ…」と思っています。けれど、それは一人の力では無理。でも一人一人が正しいことを発信し、多くの人たちに伝えていかなければ常識は変わっていかないと思うのです。
スポーツをより安全で楽しく行える環境を作り、子供たちに夢と希望を与えるものであってほしい。そういう意味でも、JATOの仲間と共に世の中に私たちの知識を発信して行ければ最高です。JATOに加入するのはその手段だと思います。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
これからATCを目指すには、だんだんと教育プログラムも変わってきて難しくなっているのも事実だと思います。
私が学生の時にしていなくて、やっておいたほうが良いなと思うこと。それは、「ATCになって、何をしたい?」という問いを自分にし続け、目標をきちんと持っておくことです。私はATCという資格に憧れがありすぎて、そのさきの「資格を使ってやりたいこと」を見つけるのに、だいぶ時間がかかりました。
もちろん、目標が変わっていくことは良いことなのですが、漠然と資格取得を目指すのではなく、どこでどんな風に働いているのか?をイメージしながら、目の前にあるタスクをコツコツとこなしていくのが大事だと思っています。
また、女性でATC、アスレティックトレーナーを目指す方へ。スポーツ現場での仕事は、自由な時間がほとんどなく、ずっと第一線で働くことは難しいのは事実であり、どこかでセカンドキャリアを考えて働かなければいけないというストレスは男性よりもいくらか強いと思います。でも、最初はまずやりたいことをとことん「やり切る」ことが大切だなと自らの経験から感じています。キャリアに正解はないし、いつどこで人生が変わるか分からないから、いつでも自分を優先して、好きなことや夢中になれることに全力を出すことが思った通りの結果に結び付くんだろうと思っています。
自分を大切にしつつ、周りのアスリート、クライアントへポジティブなエネルギーを与える人になる、と思って私も日々、頑張っています。ゴールが決まれば、人はものすごいパワーを発揮できます。ATCのその先を見据えつつ、日々行動してくださいね!
井上さん、お忙しい中インタビューにお答え頂き誠にありがとうございます。井上さんのイメージは“ガッツがある女性”という風に思いますが、それは学生時代から変わらないのですね! また、子育てをしながら仕事を両立する事は本当に大変な事だと思いますが、井上さんのような存在が、アスレティックトレーナー、特に女性には大変心強いと感じます。
来月は井上さんが信頼を置いている方を紹介頂きました。是非楽しみにしていて下さい!
深秋の候、いかがお過ごしでしょうか。先月は龍谷大学の職員であるアスレティックトレーナーとして長く活躍されている藤田さんにお話をお伺いしました。今月は早稲田実業学校にてアスレティックトレーナーをされている小出敦也さんインタビューにお答え頂きました。是非一読下さい!
Serratus anterior and Upper Trapezius Electromyographic Analysis of the Push-Up Plus Exercise: A Systematic Review and Meta-Analysis
概要
プッシュアッププラス(PUP)エクササイズ時の筋活動を分析した先行研究を系統的レビューおよびメタ分析により検証した結果、手の距離、肩関節/肘関節の屈曲角度および下肢の位置によって、PUPエクササイズ時の前鋸筋および僧帽筋上部線維の筋活動が影響を受けることが明らかとなった。
内容
背景:肩甲骨運動時には、前鋸筋と僧帽筋上部線維のフォースカップル作用が生じる。しかし、肩の機能障害を有するオーバーヘッド・スポーツのアスリートにおいては、しばしば前鋸筋の機能低下と僧帽筋上部線維の過剰な収縮が観察される。そのため研究者らは、機能低下がみられる前鋸筋の筋活動を高め、僧帽筋上部線維の筋活動を最小限に抑えるエクササイズの探索に取り組んでいる。PUPエクササイズは、前鋸筋を強化するエクササイズとして広く用いられているが、様々な条件で実施した場合、前鋸筋および僧帽筋上部線維の 筋活動が受ける影響については明らかではない。
研究目的: 前鋸筋と僧帽筋上部線維の筋電図(EMG)データに基づいて、様々なバリエーションのPUPエクササイズの有効性を比較すること
方法:2000年1月1日から2008年3月31日までの期間に報告された、PUPエクササイズのEMG分析研究を、PubMedとScopusの2つの検索エンジンを用いて体系的に検索した。
また、メタ分析のために前鋸筋および僧帽筋上部線維のEMGデータにおける平均差の95%信頼区間を算出した。
結果:分析基準に適合した19の研究を検証した結果、安定した平面上で、手の位置は肩幅をとり、肩関節は屈曲110度から120度に位置させ、さらに片側の下肢を挙上し、肘関節完全伸展位からPUPエクササイズを行った条件において、前鋸筋は賦活化し、僧帽筋上部線維の活動は抑制されることが示された。また、不安定な平面上で実施した場合、僧帽筋上部線維の筋活動が2.74%増加したことも示された。
結論:通常のPUPエクササイズにおいても、前鋸筋の筋活動は高まる。 さらに、安定した平面で、両手を肩幅、肩の屈曲角度を110度または120度とし、片側の下肢を挙上、さらに肘を完全に伸ばした状態で実施した場合、前鋸筋活動は増大し、僧帽筋上部線維の筋活動は低下する。
臨床現場への応用
結果で示された条件でのPUPエクササイズは、前鋸筋を賦活化し、僧帽筋上部線維の筋活動を抑制する。(したがって、肩の機能障害を有するオーバーヘッドアスリートに対するリハビリテーションエクササイズとして有効であると考えられる)。また、エクササイズが、僧帽筋上部線維の筋活動を抑制しながら前鋸筋を強化することが目的である場合、PUPエクササイズは不安定な環境上ではなく、安定した平面上で実施すべきである。
Reported by 越田 専太郎(了徳寺大学)
【参考文献】
Serratus anterior and Upper Trapezius Electromyographic Analysis of the Push-Up Plus Exercise: A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Athletic Training. 2019; 54(11):000–000 doi: 10.4085/1062-6050-237-18
朝晩はだいぶ涼しく感じられるようになりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? また、この度は台風19号によって被害を受けられた方々に深い哀悼の意を表します。
先月は、大澤さんのインタビューでしたが、今月は“常に笑顔でエネルギュッシュな皆のお姉さま的存在”と紹介して頂きました藤田まり子さんにインタビューにお答え頂きました。是非一読頂ければと思います。
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
ATCそのものの存在は知らず、「スポーツ関連のトレーナー」になりたいと思ったのが高校生の時です。小学校からバレーボールをしていましたが、高校まで夏の炎天下の練習でも全く水を飲むことなどできませんでした。唯一飲めるのはトイレに行った時くらい。「こんなの絶対おかしい、自分が変えてやろう。」という根拠のない正義感が最初でした。30年以上前の日本は熱中症の概念などもほとんど浸透しておらず、部活をしている生徒・学生は皆そんなものでしたが…。
その後スポーツ整形外科医の方に進路の相談をし、たぶん新聞記事だったと思うのですが日本人女性で最初にATCとなった田中啓子さんを知って、実際に啓子さんにご相談させていただき、ATCへのあこがれが大きくなったと記憶しています。田中啓子さんには「最終的に日本で働きたかったら医療資格を取ったほうがよい、関連資格ではPTがよいと思います」とのアドバイスをいただいたことで、高校卒業後はまずPT養成校に入学し、養成校卒業後はPT臨床経験を積まずにすぐ渡米しました。
渡米後も解剖学、生理学、運動学などの基礎を知った上でathletic trainingの勉強に入れたこと、何より帰国してからの日本での仕事でもPTとしてのベースは生きているので本当に良いアドバイスをいただいたことにとても感謝しています。
ちなみにですがこの当時の相談はまず手紙からなので、アメリカにair mailで手紙を送ってその返事を受け取るまで少なくとも2~3週間がかかっていました。E-mailですぐに返事がもらえ、何よりインターネットで何でも情報を調べられる今の社会とは隔世の感があります。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
他のATCの方にもいらっしゃいましたが、やっぱり英語は苦手で、もちろん(?)今も苦手です。学生トレーナーの頃はトレーニングルームに電話がかかってきて自分が出ざるを得ないときはものすごく緊張しました。人の名前のスペルを書くことなど、アメリカ人なら小学生でもできそうなことが一気にできなくなったなぁ、と実感したことを覚えています。
ただ拙いながらも頑張っていることは伝わっていたようで、女子クロスカントリーチームについていた時に選手から「英語が母国語でなくても伝えようとすることが大事だよ、Marikoみたいに」と言ってもらったことがすごくうれしかったです。
Athletic Training Studentでありながら、大学編入後の最初の1年間は大学の女子バレーボール部で選手としても活動していました。当時の私はバレー部の練習や試合の「肉体労働」の方が、授業などの「頭脳労働」よりずっと楽、と思っていました。今だと逆ですけどね。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
龍谷大学に職員として雇用され、大学内のトレーニング室(ATルーム)でアスレティックトレーナーとして勤務しています。私を含めてATは4名で、1名は滋賀県内の学舎に勤務しています。基本的にはスポーツで起きたケガの評価、リハビリメニュー作成ですので、アメリカの大学でのトレーニングルーム運営と似ていると思います。仕事には各運動部の指導者やStrength & Conditioningコーチ、所属課の事務職員の方とのコミュニケーションなども含まれます。
また土日祝日には試合帯同業務が入ることもあります。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
平日:
11~12時出勤:
事務作業(前日のカルテ処理、報告書作成)、AT、SC、指導者、事務局との連絡などをします。ATルーム開室時間までに持参のお弁当+学食の小鉢・味噌汁で超節約ランチ(総額が200円で収まる)。休憩時間はATルーム開室までの時間帯に自分で自由に設定できますが、学生で食堂が大混雑の時間を避けるので、同僚のATの皆さんやSCアシスタントさんと一緒に食べることが多いです。ちなみにですが、この学食は2014年度龍谷大学にて行われたJATOシンポジウム懇親会場でしたので、来られたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
15:00~20:00:ATルーム開室
ATルーム利用者の対応になります。ケガの評価、リハビリメニュー作成や実際の指導、練習前のテーピングが主な仕事になります。利用者は99%が体育局所属学生で、龍谷大学は体育会ではなく体育局と呼んでいます。場所は体育館の1Fにありますので、体育館内の競技だと緊急対応をすることもあります。
20:00~20:30 ATルーム閉室、片付け、清掃。
20:30~21:30
カルテ記入など事務作業。21:30で体育館が閉館するのでめちゃくちゃな残業はありません、というよりできませんが、働きすぎる人種が多いATですのでむしろいいことだと思ってます。
土曜:ATルーム開室時間 13:00~16:30
開室時間が短縮される以外は平日と仕事内容は変わりません。
授業がない夏期休暇、春期休暇期間中などはATルーム開室時間が10:00~16:30に変わるので、平日の勤務時間は3時間半前倒しになります。
日曜、祝日:契約上は休日
アメフト、ラグビー部などの試合帯同が入ることが多いです。仕事としての帯同業務が入っていなくても、4~12月の休日はどこかの部の試合を見に行くことがほとんどです。仕事としての試合帯同時は振替休日がもらえます。30代までは振替休日の土曜日にグランドで働いて、あるいは休日にグランドで働いて、結果的に週7日働くことが当たり前でしたが…。40歳直前に肺炎で入院したことをきっかけに休むことも大事と思うようになりました。アスレティックトレーナーは選手と同じくらい身体が資本ですから。
---藤田さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
日本に帰国した頃、ちょうどJATOが誕生する頃でした。情報もなく、自分以外のATCの方と接することができるのはJATOしかありませんでしたから、先輩方から色々とお話を伺う場でした。私の最初の仕事(NKK男子バスケットボール部でのアスレティックトレーナー)は前JATO会長の泉さんにJATO発足のためのミーティングでお会いして、泉さんから紹介していただいたことがきっかけです。
今はネットやSNSで実際に会ったことがなくてもつながりができるのですが、直でATCの方々の熱意を感じることができる貴重な存在です。またNATAの公式affiliateであることはATCとしてとても心強いです。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
若い方々は加入するメリット、デメリットを考えるようですので、これも時代だなぁと思います。前述のように、私が帰国した頃は他のATCの方々とつながるためにJATOに入らない選択肢はありませんでした。
現在個人で仕事ができている方は必要性を感じていないかもしれませんが、組織でないと大きな仕事、例えば今年の「WFATT2019 第10回ワールドコングレス東京」主催などは不可能です。なので、自分個人のメリットというよりATCという職業・職域の認知度を上げることや、団体であるからこそできる社会貢献をメリットと考えればよいのではないかと思います。
私個人では、やはり多くのATCの方々と話ができたり、自分には考えられないパワーと情熱を持った熱い人たちに刺激をもらったりできることが一番のメリットです。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
旧体制も含め日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー制度ができて20年以上が経っており、今の日本でアスレティックトレーナーとして活動するのに必ずしもATCである必要性はなくなりました。
スポーツ関連の仕事も今や細分化されており、職業としてスポーツと関わりたい方には様々な選択肢があります。「絶対にATCになろう」という強い意志があればもちろんチャレンジすべきですが、ATCになることで最終的に何をしたいのかが大事だと思います。
今振り返ってみて、アメリカで過ごした3年半は単にATC資格を得るためだけよりも、狭い日本から出て文化や価値観の違う人たちと触れたことがその後の自分に大きな影響を与えています。異国で大変なことはたくさんあるけれど、ぜひチャレンジ精神で頑張ってください。
藤田さん、お忙しい中インタビューにお答え頂き誠にありがとうございます。ATCを取得し、帰国後に日本の医療従事資格取得をされる方が多い中で、藤田さんは先輩からの貴重なアドバイスに基づき、渡米前に資格を取得され、帰国後は日米で勉強されたことを余すことなくアウトプットし、多くの学生達に影響を与えている様子が伺えました。来月は、”2013年度に龍谷大学にて苦楽を共にした仲間”を紹介して頂きましたので、是非楽しみにしていて下さい!
Proprioceptive Training and Outcomes of Patients With Knee Osteoarthritis: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
概要
骨関節炎に罹患した患者の痛み、こわばり、身体機能、そして機能テストの結果に対する固有受容性トレーニングの効果に関して報告した研究をメタ解析により検証し、固有受容性トレーニングが痛みの軽減や日常生活の身体機能向上に有効であることを報告した。
内容
背景:膝関節の骨関節炎は中・高齢者において最も顕著にみられる疾患であり、固有受容感覚の低下を伴う。現在のところ、どのような種類の固有受容性トレーニングが膝関節の骨関節炎の症状改善に有効であるかに関して明確な推奨事項は無い。
研究目的:メタ解析により骨関節炎を罹患している患者における固有受容性トレーニングの痛み、こわばり、身体機能、そして機能テスト結果に対する効果を検証すること
方法:骨関節炎に罹患した患者の痛み、こわばり、身体機能、そして機能テストの結果に対する固有受容性トレーニングの効果に関して報告した研究を、Pubmed、MEDLINE、CINAHL、SPORTDiscussの4つの検索エンジンを用いて体系的に検索した。1946 年から2017年の間に報告された研究を対象とし、無作為化比較対象試験によりその効果を検証したものを分析対象とした。
結果:分析基準に適合した7つの研究を検証した結果、固有受容性トレーニングは痛みを軽減させ、日常生活の身体機能や歩行速度を向上させることが示された。しかし、こわばりの減少や歩行以外の可動性のテストにおいては固有受容性トレーニングは有意な改善効果は示されなかった。
結論:固有受容性トレーニングは膝関節骨関節炎を有する人の痛みの軽減や日常の身体機能向上に有効である。したがって、リハビリテーションプログラムには固有受容性トレーニングを含めるべきである。しかし、こわばり感や歩行以外の可動性テストに対しては明確な効果が示されていないため、さらなる症状改善が見込まれるリハビリテーションプログラムが必要である。
臨床現場への応用
本研究においては、膝の骨関節炎を有する人の日常生活における痛みの軽減や身体機能向上のためには、トレーニングの中に、体幹や下肢筋力向上を目的としたコーディネーショントレーニングなどの神経筋制御の要素を含め、週3~4回の頻度で行い、1セッション30~40分程度行うべきであることが、これまで報告された研究結果を根拠に示されている。
Reported by 下河内 洋平(大阪体育大学)
【参考文献】
Jeong, H. S., et al. Proprioceptive Training and Outcomes of Patients With Knee Osteoarthritis: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Journal of Athletic Training. 2019; 54(4): 418-428.
爽涼の秋となり、朝夕はめっきりとしのぎやすくなってまいりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?先月は大学にて教育者・研究者として活躍されている越田さんにお話をお伺いしました。今月は越田さんとも留学時代の苦労をともにした大澤有美子さんにインタビューにお答え頂きましたので、是非一読下さい!
「一定の張力で行なった静的ストレッチによる、受動的スティフネスと最大筋力、瞬発的筋力への影響」
概要:今回は、最近議論になることが多いスタティックストレッチ(静的ストレッチ)の可動域改善効果と発揮筋力への影響について、ストレッチ方法と時間、回数に着目して実験を行なった論文をご紹介します。この論文の特徴として、①角度を一定に保ったストレッチではなく、張力を一定に保ったストレッチを行なったこと、②比較的短時間、低頻度でストレッチを行なったこと、③先行研究では被験者が若年男性ばかりであるのに対して、本研究の被験者は若年女性であることを挙げています。
目的:若年女性において、一定張力下で行なった、短時間・低頻度の受動的Straight Leg Raise (SLR)ストレッチによる受動的スティフネスの経時的反応と、最大筋力・瞬発的筋力への影響を調査すること。
方法:対象は若年女性11名(平均年齢24±4歳)。ストレッチ介入前に受動的SLRを痛みが出ない範囲まで行いますが、この時に被験者の踵と検者の手の間に圧力を計測する機器を当て、SLR時の抵抗を測定し、これを受動的スティフネスとします。
その後に、静的SLRストレッチを、同じ機器を用いて抵抗が一定(=一定の張力)になる様に調整しながら、徒手的に15秒4セット(セット間15秒)行いました。
また、ストレッチ介入前後に等尺性での股関節伸展筋力測定を行い、最大筋力と力の立ち上がり(=瞬発的筋力)を記録しました。
結果と考察:15秒のストレッチを1セット行なった後では受動的スティフネスは変化ありませんでしたが、2セット行なった後に有意に減少しました。しかし、3セット、4セット行なってもそれ以上の有意な減少はみられませんでした。また、15秒4セット行なった後でも、股関節伸展筋の最大筋力・瞬発的筋力に変化はありませんでした。先行研究では、合計4分間以上の長時間ストレッチを行なった場合、今回の結果よりも柔軟性は向上していたが、同時に最大筋力や瞬発的筋力などの低下もみられたことから、張力を一定に保った静的ストレッチは15秒2セットで十分であろうと考察しています。
静的ストレッチによって筋力低下が起こるという論文が発表されて以降、静的ストレッチを行うタイミング・秒数・回数に関して皆様の中でも議論が行われていると思いますが、今回の論文でまた新たなヒントが得られたかと思います。ただ、股関節伸展には殿筋群も関わることから、ストレッチによるハムストリング発揮筋力への影響が過小評価されている可能性も考えなければなりません。また、対象が女性であるため、単純に先行研究と比較することができないことを考慮する必要があります。静的ストレッチに関して、一定の見解が出るにはまだエビデンスが足りませんが、今回紹介させていただいた内容も皆様が臨床で静的ストレッチを行う際の判断材料の一つとしていただければと思います。
Reported by 岸本康平(順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ医学研究室)
【参考文献】
Palmer TB, Thiele RM. Passive Stiffness and Maximal and Explosive Strength Responses After an Acute Bout of Constant-Tension Stretching. J Athl Train. 2019; 54(5): 519-526
厳しい暑さが続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?先月はラグビートップリーグのチームでS&Cコーチとして活躍されている川端さんにお話をお伺いしましたが、今月は大学教員、研究、そして地域貢献と慌ただしい毎日を過ごされている越田さんにインタビューにお答え頂きましたので、是非一読下さい!
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
ATCを目指そうと考えたのは、実は渡米後です。留学当初の目的は、ストレングス&コンディショニングを学び、ストレングスコーチを目指すことでした。また、私は大学院(金沢大学)ではトレーニング科学の分野で論文を書いていましたので、この分野で研究者を目指そうかとも考えてました。 もちろんATCの存在は知っていましたし、過去にも将来の選択肢の一つであったことがありました。しかし、ATCがどういうものかイメージができずにいたこともあり、長い間私の中での興味は薄れていました。また、私自身は競技者としてATCを含めアスレティックトレーナーと関わったことがありませんでした。そのこともATCに対する興味を失わせていた理由の一つだったかもしれません。
渡米直後に、当時オレゴン大学の大学院を修了されたばかりの山根太治さん(現、大阪ハイテクノロジー専門学校)とお話したことがATCを目指そうと考えた直接のきっかけでした。今思い返すと全く計画的でなくて恥ずかしいのですが、直感というか「のり」というか、そういうものだったように思います。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
当然、印象に残っていることは多いのですが、一つ失敗談をお伝えしたいと思います。まだ大学院に入る前の、フットボールのサマーキャンプだったと思うのですが、選手ではなくてコーチに対して、足関節のテーピングを巻く担当をさせていただきました。まだ英語学校あがりで学生アスレティックトレーナーとしての経験もほとんどなかったのですが、テーピングはそこそこ練習はしていました。ただ、緊張しすぎて、テープを巻くときの力が強かったのだと思います。練習後、あるコーチの足がまめだらけになっているのを発見、私は平謝りしたわけです。ただ、そのコーチは非常に気遣いのある方で、笑顔で「きつかったけど、テープのおかげで安定していた」といったようなことをおっしゃってくれました。その優しさに感謝の気持ちと、自分の仕事に対する反省の念を持ったことが印象に残っています。周りの方々の温かさのお陰で、成長させていただいたと思っています。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
現在は、千葉県浦安市にある了徳寺大学で、大学教員をしています。したがって、スポーツ現場で活動するというよりは、主にアスレティックトレーナーやトレーニングコーチなどを目指す学生の指導が中心となっています。本大学は(公財)日本スポーツ協会アスレティックトレーナーの養成校となっていることもあり、現場実習での指導も含めたアスレティックトレーナー教育に従事することができています。
また、大学教員としての仕事は、教育以外に、研究、地域貢献などがあります。特に、柔道選手(愛好家を含む)の外傷・障害予防やパフォーマンス向上に関連する研究を、主にバイオメカニクスの手法を用いて実施しています。さらに、地域・社会貢献として、中央競技団体(日本セパタクロー協会)でのマネジメント業務や学会・協議会の運営にも携わっています。私は興味のあることは色々やりたい性分なので、今の立ち位置には大変満足しています。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
これは大学教員の特徴だと思うのですが、特に決まった1日の流れというものはありません。学内にいることもあれば、学外で仕事をしている場合もありますし、ときには自宅で仕事をしていることもあります。早朝から仕事をしている場合もあれば、割合としては少ないですが、午後から仕事が始まる場合もあります。仕事のスタイルとしては、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)とは無縁で、ワーク・ライフ・シームレス(仕事と生活の境目がわかりにくい)といった感じです。メリハリがない、、ということでしょうね(笑)
---越田さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか---
非常に難しい質問ですね。私にとっては、本邦においてATCという存在を認知してもらうために必要な団体という存在です。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
質問の回答にはなっていないのですが、メリット・デメリットでJATOへの入会を考えなくてもいいのかなと思っています。私自身もJATOからは一時期離れていた時期もあります。2017年から再び入会させていただいたのも、私自身がJATOを通して社会貢献できる部分が見えてきたからということもあります。学生の方々には、ATCとして自分自身が社会貢献したいと考えるならば、JATOは同じような志を持った方々で溢れていますので、是非仲間になっていただきたいと思っています。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
楽しんでください!
越田さん、お忙しい中インタビューにお答え頂き誠にありがとうございました。最後の学生へのメッセージが“シンプルで力強い”のも越田さん”らしい”と感じました。ATCになり、現在自身が学んできた事を後進や社会に還元している姿は素晴らしいですね! 来月は越田さんの“大学院時代の同僚”を紹介して頂きましたので、楽しみにして下さい!
雨の日が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
先月は、日本人ATC第1号の鹿倉さんの記事をきっかけにアスレティックトレーナーを目指し、現在は日本卓球協会で専任アスレティックトレーナーとして活躍する羽生綾子さんでした。今月はラグビーを中心に活躍し続け、現在はラグビートップリーグのチームでS&Cコーチとして活躍されている川端昭彦さんに登場していただきます。皆さんお楽しみ下さい!
ジメジメした梅雨の季節となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
先月は、3人の子供の母でありながら、活動を続ける大橋さんにお話を伺いましたが、今月は日本卓球界に必要不可欠な存在である羽生さんに登場頂きます。皆さんお楽しみ下さい!
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
中学高校時代からケガが多く、テーピングの本を購入して自分でテーピングを巻いていたこともあり、今考えるとその頃からなんとなくアスリートのコンディショニングには興味があったのかもしれません。高校2年生の時に何気なく「月刊バスケットボール」を読んでいたら、アスレティックトレーナーの仕事が掲載されていました。当時はまだアスレティックトレーナーは仕事としてもほぼ知られていなかったのですが、とても興味深く、惹かれたのを覚えています(その記事は鹿倉さん著)。その後ACL/MCL/半月板損傷で入院・手術することになり、リハビリを経て競技復帰したのですが、その当時、アスレティックトレーナーは周りを見てもどこにもいません。そんな人がいてくれたら、自分のように大変な思いをする選手を救えるかもしれない!と思ったのがきっかけでした。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
学生トレーナー時代はとにかく無我夢中で、毎日が新鮮でした。大変なことはたくさんありましたが、トレーナーはこういうものなんだと思って一生懸命取り組んでいました。印象に残っていることはたくさんあります。その中から一つ・・・学生トレーナーになってアメフトを担当することになった時に、選手がトレーニングルームにストレッチをしにくるのですが、選手は2mもあり筋肉隆々、私は155cm。担当になった選手が「こんな小さいトレーナーにストレッチなんてできないだろう。違う人にお願いしたい。」と言われたことがありました。もちろん悔しいのですが、当時は英語も流暢ではなかったので言い返すこともでず、ヘッドトレーナーも何も言わずに私に担当させてくれました。選手は気の乗らない雰囲気で私にストレッチをされていたのですが、数を重ねるうちに私を指名してくれるようにまでなりました。この時はとても嬉しかったです。選手に認めてもらえたと感じました。そうやっていくうちにチーム全体からも認めてもらえて、あだ名をつけてくれたり、声をかけてもらえるようになっていきました。
また前回、大橋さん(守本さん)も書いていましたが、電話に出るのがとにかく嫌でした(笑)。私も怒られました!「出なかったら上達しないだろ!」って。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
現在は日本卓球協会で専任アスレティックトレーナーとして働いています。業務は多岐に渡ります。味の素ナショナルトレーニングセンターの卓球専用練習場に常駐していますので、JOCエリートアカデミー選手の日常練習時や、男女ナショナルチーム(シニア、ジュニア、小学生)の合宿時に体調不良やどこか痛みのある選手の評価をし、必要に応じて医師につなぎます。状態に応じてケアやリハビリ等を行い、所属先にも連絡を入れます。また、海外遠征時の帯同薬の準備を医師の指導のもと行ったり、現地からの連絡を受け指示を出したりします。
さらに、現在日本卓球協会では、日本全国で小・中学生を強化する事業を行なっており、そちらに赴きコンディショニング指導等を行なっています。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
通常は9時半出勤です。合宿での練習は午前午後の2回行なっています。ナショナルチームには男女ともにトレーニングコーチがいますので、ウォーミングアップ等はその方々が行なっています。私は必要に応じてケアをしたり、練習ができない選手には別メニューで対応したりします。ジュニアや小学生の選手であれば医師の診察時には同行し、内容を把握して、ナショナルチームのコーチ、母体コーチ、保護者、卓球協会のチームドクターに報告するようにしています。
また合宿毎回ではありませんが、体力測定やコンディショニング講習会を選手たちに対して行なっています。
余談ですが、卓球は小学生の頃から国際大会に出場することもあるので、英会話を教えたりもしています。
---羽生さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか---
最近ではあまり定期的な集まりに行けていないのですが(泣)、日本におけるホームというか、大橋さんも言っていたように同志が集まる場と思っています。そこに帰ればいろいろな方々から刺激をいただき、もっとがんばらなければ!と思わせてくれるとことだと思っています。
アメリカで学生トレーナーをしていた時は、年に1度のシンポジウムで先輩始め日本人ATCにお会いすることが本当に楽しみでした。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
ネットワークを広げられること、そして視野を広げられることですね。現在ではいろいろな場所でATCが活躍されています。そういった方達とお話したり意見交換したりすることで新しい発見が生まれたり、現在の自分の仕事にもとても役立つと思います。チャンスを見つけてシンポジウムやセミナーにも参加していきたいです。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
アスレティックトレーナーの技術や知識は、スポーツの現場で仕事をする上だけではなく、日常生活の中でも活用できる一生モノの技術や知識だと思います。また、海外での生活経験そのものも自分の人生にとってかけがえのないものになるでしょう。アスレティックトレーナーの勉強ということだけにとらわれず、視野を広く持ってたくさんのことを吸収してほしいです。
羽生さん、お忙し中貴重なお時間を頂きまして誠にありがとうございます。日本卓球界に無くてはならない存在である羽生さんですが、学生時代の悔しい思い出が成長の糧になっていたんですね。また視野を広く持つ事の大切さについて熱いメッセージも頂きました。来月は、“ラグビー界のマッチョ”な方を紹介頂きましたので、楽しみにして下さい!
先日、WFATT 2019 World Congress X-Tokyo へご参加いただいた皆様ありがとうございました。多くの皆様のご協力のお陰で、記憶と記念に残るイベントとなりました。今後も皆様と共に、アスレティックトレーニング、スポーツ、健康産業の発展と進化させるべく活動していきます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、先月は、アスレティックトレーナーに支えられ愛あるお言葉をいただいた松永さんのインタビューでした。今回は、3人の子供の母でありながら、活動を続ける大橋由理子さんにお話を伺いました。特に、女性アスレティックトレーナーの方には参考になると思います。お楽しみください!
春陽まぶしい毎日がつづいておりますが、新生活はいかがですか? 先月は、アスレティックトレーニング愛溢れる岸さんのインタビューをお送りしましたが、今月は“男気溢れる”松永さのインタビューをお送り致します。インタビュー内容は、実直な松永さんの人柄を表していますので、是非一読下さい。
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
高校生のころ特集をしていた雑誌の記事を読んで魅力を感じました。また、テーピングの教本が部活動のチームのメディカルバッグの中にあり、それを読んで漠然としたイメージが出来たと思います。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
JATOが発足した当時、かなり多くの方がATCになっていると実感しました。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
大学の施設で学生アスリートのコンディショニングやパフォーマンスに関するサポートをしています。現在は特にランニングチームを中心にサポートしています。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
日によって変わりますが、朝のトレーニングがあるときは5時半位から指導し、日中に学生相談、午後に練習に帯同しています。週末は主に試合帯同です。
---松永さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
発足当時まだ、インターネット環境が整っておらず、すぐに参加できませんでした。また、駆け出しで収入も少なかったため会費を払う余裕がなかったように思います。少しして、東さん(元立命館大学)に声をかけていただき機会を与えていただきました。その他沢山の方々に話を聞かせていただき育てていただいた場所だと思っています。東さんのスカラーシップも元々は名称がなかったと思います。彼と話しているときに彼に敬意を表して彼の名前を入れましょうと会話をした記憶があります。そのような先人の努力を感じ取れる場所です。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
外国講師のセミナーなどを開催していただけることや我々の活動領域の拡大を目指したJATOの様々な取り組みを教授できること。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
私は当時、何回か試験に不合格でした。諦めようかと思ったこともありますが、ATCの木村さんに勇気づけて頂きました。ATCになることも大切ですが、人の背中をそっと押す優しさや忍耐がATCとして自分自身を成長させるのだなと学びました。私はそのような体験を同じATCの方にしていただきました。次はあなたと、あなたの担当するアスリートがその経験する番です。自分自身の失敗に学び、アスリートの成功に歓喜する時、皆さんの成長が感じ取れるでしょう。迷わずに前に進んでください。
松永さん、お忙し中インタビューを受けて下さりありがとうございました。松永さんの想いが伝わる内容でしたが、特に最後の学生へのメッセージは心打たれるものでした。来月は、“直球勝負師”のあの方のインタビューをお届けする予定です。どうぞ来月も楽しみにして下さい!
第8回目となります今回は、『プロ野球の投手における球速と肘内反トルク』についての研究報告を井口順太准教授(京都先端科学大学)にご紹介いただきました。ぜひ、ご一読ください。
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Fastball Velocity and Elbow-Varus Torque in Professional Baseball Pitchers
Jonathan S. Slowik, PhD; Kyle T. Aune, MPH; Alek Z. Diffendaffer, MS;
E. Lyle Cain, MD; Jeffrey R. Dugas, MD; Glenn S. Fleisig, PhD
Journal of Athletic Training 2019;54(2):000–000
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Introduction
野球の投球動作は高度な動的課題であり、身体全体(関節や軟部組織)、特に投球側の上肢へ非常に大きな負担を強いるものである。プロレベルの投手は時に時速100マイル(約45m/s)に迫る、もしくは超えるような速度でボールをリリースしており、その際の(上肢の)角速度は人体が成せる最速の動きであり、怪我をも引き起こす危険性(例: 100Nm以上の肘内反トルク)を孕んでいる。そのためプロレベルの投手における上肢の傷害発生率は、その他のポジションの選手と比較して約3倍高いことが報告されている。実際メジャーリーグ(Major Base ball League, MLB) の投手における肘内側側副靱帯(Ulnar Collateral Ligament, UCL)損傷の有症率は、約25%程度であることも報告されている。
医師や野球関係者、メディアなどは近年MLBにおける投球速度の上昇とUCL損傷との関連を指摘している。研究者も同時に上記の関連性について研究を実施し、投球速度の上昇がUCL損傷リスクと関連していることを報告している。しかし、球速とUCL損傷の関連性に関しては疑問を投げかける意見もあり、いまだに明確な答えが見出されていない状態である。そのため本研究は、球速は、1)肘内反トルクにおける被験者間要因のほんのわずかな割合のみを説明し、2)被験者内要因としては非常に大きな割合を説明するという仮説を立て、研究を実施した。
Methods
計64名のプロレベルの投手を被験者とし、38個のマーカーを所定の部位に取り付け測定した。測定方法は、各自ウォーミングアップ後、最低5回全力投球を実施した(球種は全てストレート)。統計方法は球速と標準化された肘内反トルクの間における被験者間要因の関係は、各選手の平均球速と標準化された最大肘内反トルクの平均値間の単回帰分析を用いて行なった。また球速と標準化された肘内反トルクの間の被験者内要因は、線形混合モデルを用いて分析を行なった。
Results
平均球速は37.6±1.5m/sであり、被験者内球速の範囲は2.84±0.72m/s、また被験者間の平均値である標準化された最大肘内反トルクは5.33%±0.74% body weight x heightであった。単回帰分析では、球速と肘内反トルクにおいて弱いながらも正の相関関係が確認された。また線形混合モデル解析では、被験者内で比較された場合、球速と肘内反トルクにおいて非常に強い正の相関関係が示された。
Discussion & Conclusions
本研究の結果は仮説通り、球速は被験者間要因では説明割合が低く(7.6%)、一方被験者内要因では非常に大きな割合を示した(95.7%)。今回の研究では、先行研究とは対象的に被験者間の相違も考慮した被験者内要因の検討を、より詳細な統計解析モデルを用いて実施した。この統計モデルにより球速が1m/s上昇するごとに肘内反トルクが0.092%(body weight x height) 増加することが判明した(トルクに換算すると1.62N-m)。MLBの投手が1シーズンあたり3000球以上投げることや投球量の危険性、それに付随する(肘への)負荷を指摘した先行文献を考慮すると、投手は毎回投球速度に変化をつけることでUCL損傷のリスクを減少できる可能性が示された。
第7回目となります今回は、『2015年ラグビーワールドカップでの脳振盪マネジメントの取り組みについて』の研究報告を松本秀樹氏(立命館大学ラグビー部アスレティックトレーナー)にご紹介いただきました。ぜひ、ご一読ください。
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Original article
タイトル:Evaluation of World Rugby’s concussion management process: results from Rugby World Cup 2015
出典:Fuller CW, et al. Br J Sports Med 2017;51:64-69
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脳振盪のマネジメントに関してはこれまでも多くの議論がなされており、様々な研究が行われています。今回ご紹介するのは、2015年ラグビーワールドカップでの脳振盪マネジメントの取り組みを評価した報告になります。ラグビーはコンタクトスポーツの中でももっとも激しく体をぶつけ合うスポーツの一つであり、脳振盪を起こすリスクも高いスポーツですが、脳震盪の管理方法をいち早くルールに取り入れており、参考になる点も多々あると考えます。
目的:ビデオレビューを含めたHead Injury Assessment (HIA)プロセスについて解説し、2015年ラグビーワールドカップにおける、ワールドラグビーの脳振盪マネジメントについて評価する。
対象:20チーム、639名のラグビープレイヤー、48試合
方法:脳振盪の評価プロセスには3つ時系列、多面的な段階があります。最初のプロセスは、ピッチ、またはピッチサイドでの評価、2つ目は3時間以内でのフォローアップの評価、3つ目は36-48時間での評価になります。最初のピッチ上での評価では、明確な脳振盪の症状に注目し、もし認められれば“試合からの離脱”と脳振盪という診断に繋がります。ピッチ上での判断が難しい場合、ピッチ外で10分間の評価が行われ、そこで“脳振盪の疑いがあり、プレーに復帰することはできない”となるか、“脳振盪は認められないため、プレーへの復帰を許可する”という判断になります。3つ目、36―48時間での評価においては、“脳振盪の確定”か“脳振盪ではない”という診断が決まります。
メディカルスタッフによる診断の決定には、それぞれのステージでリアルタイムでのビデオレビューによってサポートされました。脳振盪と診断された選手が、トレーニング、あるいは試合に復帰するためには、5つのステージからなる段階的復帰プロトコルに従いました。
注:HIA(Head Injury Assessment)プロセス(2019年1月現在、若干の変更点あり)ステージ1、2、3がある。ステージ1にはセクション1と2がある。
HIA1-セクション1:ピッチ上での検査。チームドクター、またはマッチドクターが脳振盪の症状、兆候を見つけた場合、選手はすぐにその試合から離脱させる。脳振盪が確定したとしてもHIA2と3は行う。
HIA1-セクション2:すぐに脳振盪と判断できない場合でも、頭部に衝撃が加わった場合、チームメディカル、マッチドクター、レフリーはピッチ外での検査を要求できる(10分間)。検査には、マドックスの質問、SACの質問、そして、つぎ足歩行テストが含まれる。HIA1-セクション2の結果が正常だった場合、選手はプレーに復帰することができるが、HIA2と3の検査は実施する。
HIA2:3時間以内にSCAT3(グラスコマスケールとマドックスの質問は除外)を実施する。HIA1-セクション1、2を実施した選手、試合後のビデオ検証で頭部外傷が疑われた選手、3時間以内に脳振盪の症状、兆候が出現した選手はHIA2の検査を実施し、HIA3の検査も実施する
HIA3:症状の確認に加え、認知機能の検査も行う(CogSportのようなコンピューターベースの認知機能検査が望ましい)。BESSやつぎ足歩行のようなバランス検査も行う。
HIA3の検査は、2晩の休息後(通常は試合後36-48時間)、試合後3-48時間以内に脳振盪の症状、兆候が出現した選手、試合後のビデオ検証で頭部外傷が疑われる選手に実施する。
3つの検査過程を通して脳振盪の診断を下しますが、どの過程であれ1つ,
あるいはそれ以上下記の報告があった場合、脳振盪という診断になります。
A) ピッチ上での評価で、脳振盪の症状と兆候を呈し、試合から離脱する
B) メディカルルームでのビデオレビュー評価中で、脳振盪の症状と兆候が認められる
C) 3時間以内の試合後の評価(HIA2)で、“異常あり”となる
D) 36-48時間の評価(HIA3)で、“異常あり”となる
E) 管理する医師が脳振盪を呈していると考える
結果:
49回の脳振盪評価(43名は1度、3名は2度)が行われ、そのうち24つのケースで脳振盪と診断されました。49回の評価のうち、39回は試合中に評価されました。そのうち、ピッチ上で脳振盪の症状を呈した14名は試合からすぐ離脱し(HIA Section1)、試合から一旦出され、ピッチ外で評価された(HIA Section2) 25名のうち4名が、後に脳振盪と診断されました。HIA Section2で正常と判断され、プレーに戻った選手20名のうち、1名は後の検査で脳震盪と診断されました。試合3時間後、脳震盪の疑いがある、あるいは、ビデオレビューで頭部に強い衝撃が加わっていた経緯がある選手8名がHIA2の検査を受け、3名が脳震盪と診断されました。試合36−48時間後に疑いが出てHIA3の検査を受けた選手2名が、脳震盪と診断されました。結果、試合中には脳振盪の症状、兆候を呈さなかった選手5名が、後の検査で異常ありとなり、脳振盪と診断されました。RWC2015中の脳震盪の発生率は12.5回/1000player-match-hoursと報告されています。
まとめ:
この研究は多様式かつ複数の時間軸での頭部外傷の管理過程を評価した始めての研究になります。今回の研究では、5つの“遅延して出現した脳振盪”が報告されましたが、評価プロセスが試合中だけのものに依存していた場合、発見することは出来なかった可能性があることが示唆されました。頭部に衝撃が伝わった後、脳振盪の症状と兆候が現れるまでは数分から48時間と時間に開きがあり、ビデオレビューを含めた複数の時間軸での評価は、瞬間性、進行性、遅延性の脳震盪の判別に奨励できると報告しています。
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今年は日本でラグビーワールドカップが開催されます。選手の安全管理を徹底した上で、ハイレベルで熱い試合を期待します。
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春風待ち望む今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
先月はラグビー現場経験豊富でワイルドな鵜殿さんの貴重なインタビューを聞かせて頂くことが出来ましたが、今月はこちらも現場経験豊富で、JATOの発展に多大なる貢献をしています木村さんにお答え頂きます。是非木村さんの熱い想いを受け取って下さい!
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
高校3年間ラグビーに没頭し、1狼後も大学受験に失敗していた私に父親から「働くか、留学しろ。2狼は無理だ。」といきなり言われた事がきっかけで、まずは自分が何を勉強したいか見つけに行こうと、グアム大学へ留学する事となりました。最初の1年半はホームステイをしました。ホストファミリーの親戚がロサンジェルスオリンピックにも出場した柔道家だったこともあり、何となく身体を動かしたくなったので、柔道を習う事になりました。高校の体育で柔道を選択はしていましたが、柔道はほぼ素人の私でしたが、まじめに練習していたところ、いつのまにか柔道のグアム代表としていくつかの大会に出場するようになりました。その大会の1つがアメリカのコロラド州コロラドスプリングスにあるオリンピックトレーニングセンターで開催されていたUSA OPENでした。その大会会場で怪我をした選手にかけよったり、テーピングをしたりしているスタッフが眼に留まりました。とっさに「このような職業はどうやったらつけるのですか?」と質問したのが私のATCとの初めての出会いであり、NATAを知る事になったきっかけでした。そのATCから「全米に数十校カリキュラムがある大学があるから調べてごらん。」と言われ、早速グアムに戻った私は、大学のPEの先生の元へかけつけ、「NATAのカリキュラムはどこの大学にあるのですか?」と質問し、片っ端から電子タイプライターで手紙を書き、大学のカタログを取り寄せてみました。取り寄せたカタログと一緒に「是非うちの大学に来て下さい。」と親切な返信を下さったオレゴン州立大学に編入する事になったのが、グアムに留学して4年後の事でした。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
グアム大学留学時代の柔道がきっかけでオレゴン州立大学に編入した私ですが、当時のカリキュラムの1つ先輩に八田倫子さん、2つ上に右田雅義さん(現Western Washington大学アスレティックトレーナー)、菊地聡さんという諸先輩方がいらっしゃり、公私ともに大変お世話になりました。レベル1のカリキュラムの説明会に行った時には100名近い学生が集まっており、1学年10人前後しか入れないと聞いた時はどうなることかと思いましたが、何とか正式にプログラムに入る事ができました。その時届いたプログラムへの入学許可証と、その証として配布されたテーピングはさみは今でも自分のアスレティックトレーナー原点であり、宝物です。
帰国後、日本航空の女子バスケットボール部のトレーナーを経て、現トップリーグのリコーラグビー部でフルタイムのアスレティックトレーナー、7人制のラグビー代表のトレーナー帯同などの機会をいただけました。また、2008年~2011年には15人制ラグビーの日本代表に帯同させていただきました。ラガーマンにとっては、英雄、ラグビーワールドカップの第一回のトライ王であり、雲の上の存在であった、ジョン・カーワンさんがヘッドコーチであり、そんな方と4年間一緒に闘い、2011年のワールドカップニュージーランド大会をサポート出来たのは一生の思い出です。スタッフと試合前に肩を組んで国歌斉唱したり、NZ代表オールブラックスとの対戦では目の前で迫力あるハカを見た時は鳥肌が立ちました。あれから8年、今年9月にはラグビーワールドカップ日本大会が全国各地で開催されます。あの盛り上がりが日本に上陸し、全世界からラグビーファンが日本にいらっしゃると思うと感慨深いです。皆さん、是非、観戦にいらして下さい。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
ラグビーワールドカップに一緒に帯同させていただいた当時のチームドクターの御縁で、昨年5月に東京から北九州市へ移住しました。整形外科に隣接するリコンディショニング施設でトレーニング指導やケアなど、お客様のご希望に合わせてサービスを提供しています。この施設が新たに同市内の新施設への移転準備中で今はその準備に追われています。また、週一回は、九州にお誘いいただいたチームドクターが勤務する田川市の外科病院に勤務し、術後リハビリ中の患者さんを中心にFascia Slick TechnicというIASTM器具を使って治療をしています。また、地元の新日本製鐵八幡のラグビー部と、福岡SUNSのアメリカンフットボール部でのアスレティックトレーナー活動も並行してやっております。福岡SUNSは昨年X2からX1へ昇格が決まり、九州発のX1リーグ参戦チームとなり、東京での試合もあるので楽しみにしております。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
リコンディショニング施設の勤務が早番で8時半~18時、遅番で11時~21時までの勤務です。外科病院での勤務は8時半~18時です。
シーズン中はサポートチームの練習・試合に帯同する事が週末に増えます。
---木村さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
同じバックグラウンドを持つ仲間と顔を合わせられる、お互い刺激を受け合える、悩みを共有できる、そんな憩いの場です。私も様々な場面で、何度も助けられてきました。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
自分自身メリットとか考えた事が無く、NATAの会員になるように、帰国後はJATOの会員になりました。今では諸先輩方のご尽力によりJATOの礎が築かれ、NATAのアフィリエイト団体になり、社団法人としての登記もされ、活動に活気が増してきました。私自身、入会後、HPの立ち上げに関わったり、シンポジウムがまだ1桁台の開催回数だった時に運営委員をしたり、その時出来る事を、1つ1つお手伝いさせていただきました。ある時、1人の日本人ATCに「JATOに加入するメリットは何ですか?」と同じ質問をされた事がありました。「メリットなんて考えないで、自分がJATOにとって何が出来るか入って考えればいい。」みたいな偉そうな事を言った覚えがあります。その後彼はJATOに入会し、今ではぐいぐいとJATOを牽引してくれている理事の1人となっています。JATOはそんな団体だと思います。自分達がJATOにとって、日本のアスレティックトレーニングにとって、これからATCを目指す皆さんにとって何が出来るか、その時代の流れ、ニーズにあった活動へと変革していく、そんな団体へ進化して行けるよう、皆の力を合わせてやって行きましょう。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
日本人という事に誇りを持ち、その勤勉さを存分に生かし、ATCに向けて頑張って下さい。インターネットの普及により、情報が多様化し、私が留学をした時とは全く状況が異なって来ています。私のようにNATAを知らずに留学される方は皆無でしょう。そんな中で、一つ一つ知識・技術を積み重ね、出来る事の引き出しを増やし、自分の得意性を見いだせる何かを見つけられたなら、それをとことん追求して行くと良いと思います。何か仕事の依頼をいただいた時に、その特異性が自分の最大の武器となることでしょう。
木村さん、お忙しい中貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました。木村さんに「JATOに加入するメリットは何ですか?」という質問をした理事に、実は私(JATO理事 武井)も同じ質問を過去にしたことがあります。その際に木村さんの言葉を紹介して下さり、それは今でも心に刻まれています。これからも是非JATOのサポートを宜しくお願い致します。来月は、木村さんが信頼を置いています方を紹介頂きましたので、是非楽しみにして下さい!
謹んで新年のご祝詞を申し上げます。
旧年中は弊機構の活動に格別のご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございました。
本年もより一層のご指導とご鞭撻を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
弊機構は設立より20年を経て、昨年8月に一般社団法人化致しました。
我々のミッションである「国内外のスポーツ医科学関連団体と協力し、我が国及びアジアにおけるアスレティックトレーニングの発展、普及に努め、スポーツに参加する全ての人々の健康に寄与する」を遂行すべく、様々な活動により一層尽力する所存です。
今年の5月11日と12日には、幕張メッセ国際会議場を会場として、第10回世界アスレティックトレーニング&セラピー連盟2019ワールドコングレス東京を、日本スポーツ協会後援のもと弊機構が主催する運びとなりました。
2000年、"アスレティックトレーニングのグローバル化"(Globalization of Athletic Training & Therapy)のために世界アスレティックトレーニング&セラピー連盟(WFATT)は設立されました。"アスレティックトレーニングのグローバル化"と表現すると、日本国内の動きとは無関係のように思われるかもしれませんが、アスレティックトレーニング発祥の地である北米でどのように進化していて、そして北米以外の地でどのようにアスレティックトレーニングが適応、発展しようとしているのか、ということは日本のアスレティックトレーニングにとって大きな参考となるものとなります。
また、今回のメインテーマである”Exercise For Total Health”に絡めて基づき、コングレスの講演では、"産業アスリート"(Industrial Athlete)という日本ではまだ馴染みのない顧客・クライアントを対象としたアスレティックトレーナーのあり方なども触れられる予定となっております。このような分野は、今後の日本国内でのアスレティックトレーニングの普及、発展にとっても示唆の深いものであり、皆様の期待を裏切らない講演であると思います。
JATOは今後もますます活性化させていく予定です行く所存です。改めまして、本年もJATOを宜しくお願い申し上げます。
2019年1月
JATO会長 上松 大輔
2019 WFATT World Congress X Tokyo
https://www.wfatt2019tokyo.com
第6回目となります今回は、非接触型ACL損傷リスク関連の研究を鈴木秀知先生(新潟経営大学)にご紹介いただきました。ぜひ、ご一読ください。
Hip Muscle Strength Predicts Noncontact Anterior Cruciate Ligament Injury in Male and Female Athletes: A Prospective Study
Khyayambashi K, Ghoddosi N, Straub RK, Powers CM
非接触型前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament: ACL)損傷者のシーズン開始前の股関節外転・外旋筋群の筋力は、非損傷者のそれと比較し虚弱であることが報告されています。それらの筋力値が非接触型ACL損傷の予測因子として有効であると期待されていますが、詳細な値については明らかになっていませんでした。今回のJATOアカデミック・アップデートでは、将来の非接触型ACL損傷リスクが向上する股関節外転・外旋筋群の筋力カットオフ値を提示した前向き研究をご紹介いたします。
この研究では、フットサル、サッカー、バレーボール、バスケットボール、ハンドボール競技に参加している468名の競技スポーツ選手(女性135名、男性333名)を対象としております。シーズン開始前に、徒手筋力計を用いて股関節外転・外旋筋群の最大等尺性筋力を測定し、その値を選手の自体重で除した数値をベースライとし、シーズン中に非接触型ACL損傷を発症した対象者とそれ以外の対象者との比較を行っております。
シーズン中に、非接触型ACL損傷を発症した男子は9名、女子は6名であり、統計の結果、性別に関係なく、非接触型ACL損傷のリスクが向上する筋力カットオフ値は、股関節外転筋群では、体重の35.4%以下の筋力、股関節外旋筋群では、体重の20.3%以下の筋力であるとこの論文では報告しております。また、股関節外転筋群の感度は87%、特異度は65%に対し、股関節外旋筋群のそれらは、93%、59%であったと報告しております。
この研究の結果、カットオフ値以下の股関節外転・外旋筋群の筋力を保持している選手は、将来の非接触型ACL損傷リスクが向上する可能性があることが明らかになりました。また、この研究の特徴的な点は、女子選手のみだけではなく男子選手にも同様な結果を示した点であります。この研究の著者は、股関節周囲筋の筋力評価は、将来の非接触型ACL損傷リスクの高い選手の抽出において有益な評価方法の一つになると報告しております。
股関節周囲筋筋力と非接触型ACL損傷との関係については、いまだ一定の知見は得られておりません。また、この研究に対する問題点もいくつか報告されていることから、それらの問題点を考慮し、股関節周囲筋筋力と非接触型ACL損傷に関する研究を行うことにより、新たな知見が発見されるかもしれません。
皆さん、お元気ですか? 街中は、クリスマスイルミネーションが華やかになりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
さて、先月はアスレティックトレーニング愛に溢れた海江田さんのインタビューでしたが、今回は元JATO会長で、スポーツセーフティのパイオニアである佐保さんにお答え頂きました。佐保さんの生き様を是非一読下さい!
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
高校時代に、アメリカの大学スポーツやアスレティックトレーナーについて書かれた雑誌の記事を読んで興味を持ったのがきっかけです。 当時、サッカーで腰を痛めており、整形外科に通っていたのですが、一向に良くならず、自分で色々雑誌や書籍を読み漁って治療やリハビリについて調べているうちに、この分野に興味を深めていきました。その後、鹿倉二郎さんの書かれたテーピングの本を読み、日本人でATCがいることを知り、自分もアメリカで学びATCになろうと思いました。その頃、鹿倉さんに手紙を送りましたが、返事はありませんでした(笑)。ご本人は、いまだにその手紙を持っているとのことです。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
印象に残ることは沢山ありますが、あげるとすれば南米チリで働いた約3年間は人生の中でもとても濃い思い出となっています。
Undergraduateのプログラムを終了しATCになったばかりの頃、大学院への進学など進路で色々迷っていたのですが、タイミングよくサッカーのアメリカ代表チームや北米アイスホッケーリーグ(NHL)でのインターンのお話をもらい、とりあえずはトップレベルでの現場の経験を積みたいという思いで、そちらを優先しました。その流れで長野オリンピックでの男子日本代表アイスホッケーチームの仕事も頂き、高校生の時に思い描いていた夢のような現場を新米ATCであるにもかかわらず立て続けに経験させてもらうことになりました。気が付けばあっという間に2年ほど経っており、いざオリンピックが終わってみると、バーンアウト状態になっていました。次の進路に対してのイメージが涌かず、非常に悩みましたが、気持ちをリセットする意味で、南米の一人旅を思いつき、大学時代の友人を訪ねながら旅に出ることにしました。結局、その時に訪れたチリで、友人から紹介された現地のサッカー関係者に、ATCであることやアメリカやオリンピックでの経験を話したところ、旅の途中で仕事のオファーを頂くという思いがけない展開に。そのまま日本に帰国することなくチリに残ってしまい、結局3年ほど現地のサッカー界で仕事をさせてもらいました。言葉も文化も違う土地で、突然働くことになり、最初は戸惑いしかありませんでしたが、現地の多くの方々に助けてもらいながら、とても濃い時間を過ごさせてもらいました。
帰国後、様々なスポーツ現場や起業なども経験させてもらいましたが、南米での経験のお陰で、大概の事では、驚いたり物怖じすることが無くなりました。
チリに限ったことではないですが、様々な土地で一緒に仕事をした仲間やそこでの経験は、一生の宝です。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
10年ほど前にスポーツセーフティージャパンというNPO法人を立ち上げ、スポーツの安全に関する教育プログラムをスポーツ界の様々な方に提供しています。その他、先日のWBCや日米野球のような競技イベントにおける安全管理体制の構築サポートなどの業務も行っています。
その他は、スポーツ施設や医療施設などの立ち上げや運営のサポートなども。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
同じスケジュールの日が殆どなく、出張などを含め毎日違う動きをしています。
---会長を務めた佐保さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
日本でのATCの認知度は以前よりは上がってきているものの、海外のライセンスであることや、一般的に職業として理解されていないことは否めません。同じバックグラウンドの人間が集まることで、存在感や発信力が高まり、我々の価値をみんなで協力して上げることが出来きるはずです。JATOは日本におけるATCの所属先として、団体が存在するだけでも意味があると思います。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
好きなこと見つけて、楽しんでください。
佐保さん、貴重なお話ありがとうございました! ATCになる為には海を渡りアメリカで勉強をしなくてはなりませんが、佐保さんは更に南米まで足を伸ばされたんですね(笑)。最後のメッセージは、探求心旺盛な佐保さんならではだとも思いました。来月は、ラグビー界で活躍されている方を紹介して頂きましたので、是非楽しみにしていて下さい!
第5回目となります今回は、中新井田敦子先生(JATO理事)に研究をご紹介いただきました。ぜひ、ご一読ください。
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タイトル: Athletic Training and Public Health Summit
(アスレティックトレーニングと公衆衛生)
出典:Mark Hoffman, PhD, ATC, FNATA et al; Journal of Athletic Training 2016;51(7):576–580
http://natajournals.org/doi/pdf/10.4085/1062-6050-51.6.01
Objective: ATが公衆衛生学のプロフェッショナルと手を組み、人口ベースでケガや疾病予防の可能性をアプローチする利点に積極的に取り組む。
Background: ATはケガや疾病に対して主要な役割を演じている。しかし人口レベルの見地から方針の策定、評価、実践へと繋げられていない。「アスレティックトレーニングと公衆衛生サミット」はこれらの職業の共通点を理解・調査するために開催された
Conclusions: 公衆衛生の領域にATが統合するには、われわれがプロとして、個人だけでなく人口レベルでの焦点に合わせなくてはならない
Key Words: population health, injury prevention, policy development, policy evaluation
はじめに、長年ATの証として選手の傷害疾病予防を努めてきた。
これらの経験を公衆衛生的なアプローチがとれないかと数々の会議が開かれた。そこで2015年8月にオレゴン州でAthletic Training and Public Health Summit (ATPHS)が開催された。
公衆衛生とは“健康と暮らしの促進、疾病や傷害の予防、感染症の検出と管理を通じて家族や地域社会の健康を保護し改善する科学である’’ CDC&Prevention Foundation より
公衆衛生が健康に関する問題の取り組み方;Finch C 2006より
(1) Describe the magnitude of the problem (incidence and burden),
(2) Identify risk factors and mechanisms,
(3) Develop interventions for the risk factors identified
(4) Assess the efficacy and effectiveness of the intervention in reducing the incidence and burden of the problem.
(5) Describe the intervention context in order to understand what can actually be implemented in real-world settings
(6) Implement and evaluate the effectiveness of efficacious interventions
これらの規則は、脳振盪、ACL損傷と女性、突然の心臓死などATが対処している問題と方法が類似している。また公衆衛生で述べられている、一次予防、二次予防、三次予防などは、neuromuscular training programs to prevent knee injuries、early treatment, slowing of disease、knee or ankle OAなどすでにATが取り組んでいる同系の対策である。ATはスポーツにおけるケガや感染症などの疾病に対して、競技のルール改正や競技上使用する防具を改善するなど対策を打っている。すでにATは, 公衆衛生が行っている健康に対しての政策作りに取り組んでおりその対象者を競技者ではなく人口へと広げATの知識や経験を公民に役立てること可能である。
ATPHSで述べられた学習目標は;
1. Describe the benefits of using a population-based approach to address concerns important to ATs,
2. Identify specific skill sets and potential partnerships that would be beneficial for maximizing the prevention of injuries and illnesses commonly treated by ATs,
3. Identify and develop potential solutions to challenges that arise in the development, translation, adoption, and assessment of preventive policies, guidelines, and practices.
ATPHS の座長であるMark Hoffman, PhD, ATC, FNATAにより、
NATAとして前進するためには;
The Athletic Training Strategic Alliance, consisting of the Board of Certification, the Commission on Accreditation of Athletic Training Education, the NATA, and the NATA Research & Education Foundationは関わるべき
教育機関は重要な役目があり、ATと公衆衛生学を繋げるために能力を発揮し、大学、学部単位で連携をとることを検討する
APHA(全米公衆衛生協会;American Public Health Association)などと強いパートナーシップを組み、ATが公衆衛生に興味を持つことで州単位での活動に協力する
保険会社や企業などとコーディネートし、ATのケガや疾病予防がリスクマネジメントに役立つように働きかける
公衆衛生の視点からATのスキル、知識、能力が役立つためには;
ATは公民にATの役割を教育すべきである
ATも公民の健康格差に気づき政策策定に貢献すべき
ATは職場や教育機関のリスクマネジメント担当と協力し選手以外の安全対策に貢献すべき
スクリーニングや緊急時の行動計画、衛生面での配慮はATの日常的な活動である。その強みを学会等でアピールすることを薦める。
教育プログラムで統合する、お互いの強みを生かす。助成金を協力して獲得する。
ATがリードできる分野は何か;
骨変形症、特に外傷後の慢性的なOA、脳振盪のマネジメントや競技復帰に向けての対策、突然の心臓死のスクリーニング、熱中症予防、障害の予防対策、疾病・傷害の予防対策、緊急行動計画の作成や災害救助活動などに強力な貢献ができる。
まとめ
ATが通常行っている業務は公衆衛生に強く関連があり、それを認識すべきである。
我々は公衆衛生を学ぶだけでなく、ATが今までの個人の健康と幸福にフォーカスあてていたところ、対象者を広げてすべての活動的な人々へと転換することによりATを公衆衛生的な医療従事者職へのアピールする重要なチャンスとなる。
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みなさま、いかがお過ごしでしょうか。先日のアメリカからの日本人快挙の嬉しいニュースもありましたね。
さて、先月は、直感的にATCになり、JATOスカラシップを作り上げた東伸介さんでした。今回は、アスレティックトレーニングを愛し、ラグビーチームに愛され、長くアスレティックトレーナーとして活躍されている海江田晃さんにインタビューさせていただきました。
アスレティックトレーニング愛に溢れる想いをぜひご一読ください!!
第4回目となります今回は、越田専太郎先生(了徳寺大学)に研究をご紹介いただきました。ぜひ、ご一読ください。
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柔道における重症頭頚部外傷について
出典:Kamitani T et al. Catastrophic head and neck injuries in judo players in Japan from 2003 to 2010. Am J Sports Med. 2013;41(8):1915-21.(2003年から2010年の間に日本の柔道選手に生じた重篤な頭頚部外傷)
本研究は、全日本柔道連盟の「障害補償・見舞金制度*」に報告された柔道外傷のデータを基に、柔道で生じた重篤な頭頚部損傷(頭部30件、頚部19件)について、受傷機転、受傷時年齢、柔道経験年数、診断名、予後について分析した記述疫学研究です。
本研究では、柔道における重篤な頭頚部損傷に関する以下の非常に特徴的な傾向が示されました。
頭部外傷では、
・柔道経験の浅い(3年以下)選手が大外刈で投げられることでの受傷が多い
・20歳未満の若い柔道選手での受傷が多い
頚部外傷では、
・柔道経験3年以上の選手が、内股などの技を仕掛けた際の受傷が多い(68%)
・年齢に特徴的な傾向は認められない
筆者らは、上記の結果を受けて、
頭部外傷の予防対策として
1)受け身動作の習得の徹底や
2)安全ガイドラインについての知識を有する柔道指導者養成システムの確立
を挙げています。
一方、頚部外傷については、ルールによる危険動作の罰則を徹底すること(内股などで頭から突っ込んで投げる行為は反則負)を挙げています。
2015年の公益財団法人全日本柔道連盟の報告によると、2003年から2014年までの間に重症頭部外傷44件、頚部外傷32件の発生が確認されています(http://www.judo.or.jp/wp-conte…/…/2015/11/anzenshido2015.pdf)。2012年度より中学校保健体育において武道が必修となり、柔道による重症頭頚部外傷の増大の危険性が懸念されていました。しかしながら、これまでに頭部外傷発生が増加傾向にあるとの報告はなされていません。但し、今後も予防の取り組みの継続が必要でしょう。
柔道に関わらず、スポーツで起こる重症事故(死亡事故含む)は決して起こしてはなりません。重症頭頚部外傷予防に取り組む際、アスレティックトレーナーは、受傷状況の競技特異性についても理解を深めておく必要があるでしょう。
*障害補償・見舞金制度とは、2003年に全日本柔道連盟が柔道による怪我や事故の受傷者とその家 族の経済的負担を軽減するために定めた制度です。(https://judo-member.jp/…/regulatio…/mimaikin_sikyu_kitei.pdf)
JATO研究・教育委員会 越田専太郎
皆さん、お元気ですか? 秋の気配いよいよ濃くなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
さて、先月は研究者として活躍されている細川さんのインタビューでしたが、今回はJATOのスカラシップを作り上げ、立命館大学、特に体育会の顔となっている東さんにインタビューにお答え頂きました。
普段中々知る事の出来ない東さんの熱い想いなどを是非一読下さい!!
---なぜATCになろうと思ったのですか?---
たまたまです。運命です。直感です。
日本での大学生時代に知り合ったアメリカ人の友人から、アメリカに運動選手の怪我のケアする人たちがいるのは聞いていましたが、それになりたいと強く思ったこともなく、その人達がアスレティックトレーナーと呼ばれ、大学でアスレティックトレーニングを専攻すればその資格が取れるなんて全く知らず。普通に日本の大学を卒業しました。日本の大学の専攻が「英語」だったのと、なぜかガキの頃から他の英語圏には全く興味がなく、アメリカに行きたくてしょうがなかった(スケボーやらBMXやら、いわゆるアメリカンスポーツにすごく魅了されていました)ので、少しでも英語を極めたい、アメリカの文化を体感したいと思い日本人がいなさそうなアメリカのニューメキシコ大学の英語学校に留学しました。アメリカが大好きな人間なのですが、特別アメリカで学びたいこともなく、ただ授業を取りながら楽しくアメリカの大学生活をエンジョイしていました(笑)。二年ほど経ったある日アドバイザーに呼ばれ、「早く専攻を決めなさい」と言われ。特別やりたいこともないのですぐに返答できず、キャンパスを寮に向かって歩いていました。大学の構内新聞「Daily LOBO」が風に揺られて地面の上を漂いながら目の前を横切って来ました。何気なく踏んづけて手にとって見たら、一面に大学で働く女性アスレティックトレーナーの記事。それを読んだ瞬間にこれだと直感で決めました(多分運命だったのでしょう。このときの新聞は未だに大事に取ってあります)。次の日にはアドバイザーのオフィスに行き、「アスレティックトレーニングを専攻する」と伝えました。それから学生トレーナーとして授業や実習を始めたら、全くバックグランドがない学問や英語でのコミュニケーションが大変だったにも関わらず、楽しくてしょうがない。これなら勉強を続けられるかもと思いました。それから3年(計6年アメリカで大学生でした)かけて無事卒業。BOC試験にも合格してATCを取得できました。何度も言いますが、特別な理由がないのです。直感です。運命です。たまたまです。
---学生、社会人時代に印象に残っている出来事はありますか?---
卒業してから20年以上経つので昔の記憶がぼやけてきて、すぐに思い出せない(笑)。
ですが、やはり立命館での仕事が決まった時ですかね。
卒業して日本に帰ってきた当時(1995)は日本にまだJATOもなく、日本人ATCがいることも知らず(鹿倉さんの存在なんて全く知りませんでした(笑))、就職活動に苦労していました。おかげで結局3年間もフリーターしていました。1998年に日本での仕事を諦めて、母校UNMのヘッドトレーナーに相談しにアルバカーキに滞在している最中に、親が国際電話をかけてきて「立命館大学から電話がかかってきて、ATCを探しているからあんたに会いたいってよ」と伝えられ、すぐに日本へ帰国して面接を受けました。まさか自分が日本の大学で初めて、アメリカのようなシステムで大学の体育会のクラブをすべて見るようなヘッドトレーナーになるとは思っていませんでした。私は全くすごくはないのですが、運だけで歴史的な出来事にかかわれています。私のことを気にしてくれていた鹿倉さんを初め当時のJATOの理事や事務局の方々のおかげだと思っていす。それから約20年同じ場所で仕事しています。
立命館で仕事をするようになってからは、一緒に立命館大学で学生トレーナーとして働いてくれた学生たち(特に2000年始めにBOCに受かった初期のメンバー達)がATCを取得した時。私の仕事を見て同じ職業を選んでくれたことが嬉しいです。
---現在の仕事内容を教えてください---
現在は、私の他に松本ATCと木幡ATCがそれぞれラグビーと女子陸上につきっきりでいてくれるので、アメフトをメインで見ています。アメフト部学生トレーナーの助けを借りながら、すべての練習や試合に帯同。アスレティックリハビリテーションの処方、指導、監督、記録。傷害の評価と記録。学生トレーナーの教育。練習前後のケアやテーピング。熱中症対策(練習前後の体重管理、水やスポーツドリンクの供給。体温の計測など)。雷などによる練習開始時間や中止の判断。内科的疾患を確認するための毎練習前のメディカルチェックの確認。受傷後の練習参加可否の判断。頚椎損傷時のスパインボーディング。脳震盪の評価とリハビリ。選手が服用している薬の確認や変更の指示。入学時のフィジカルチェック。大学で行われる体育会健康診断の結果の確認と指導。立命館大学GATプログラム(アメリカの提携大学院アスレティックトレーニングカリキュラムに立命館大学スポーツ健康科学部学生が入学する)ために必要な現場実習の責任者、などなど。
---現在の一日の流れを教えてください---
11:00に出勤し、スタッフミーティングのために昨日の怪我人を確認したり、学生トレーナーが作成してくれた怪我人リストを確認したりして、12:30よりスタッフミーティングに参加。その日に参加できそうにない選手の報告。30分ほどで終了。それからはATルームの掃除をしたり、自分のトレーニングをしたり、ネットをチェックしたり、事務仕事したり、CEUのために勉強したりとゆっくりと過ごしています。15:00ごろから選手がちょこちょこ現れてくるので、練習前のテーピングをしたり、ケアしたり、リハビリしたりして16:30ぐらいまで過ごします(最も忙しい時間帯です)。そこから選手がミーティングに入るので、17:30ごろまで、またゆっくりと事務仕事したりしています。練習が18:00から20:00なので、ずっと外で練習を見ながら緊急時や怪我人が出たときのためにスタンバってます。練習後は学生トレーナーから練習を抜けるほどではないが、少し怪我した選手の報告を受け、練習後のケア、必要であれば怪我人の評価と処置をして、21:30に帰宅します。
---JATOはどんな存在ですか?また、JATOに加入するメリットを教えて下さい---
一言では言い表せないですが、まだまだ若い団体なので、何かのメリットを誰かに与えてくれる場所ではなくて、みんなで色々なメリットを作り上げられる場所だと思っています。ケネディの大統領就任演説ではないですが、”Ask not what your JATO can do for you, Ask what you can do for your JATO.”って感じですね。アメリカの文化を多かれ少なかれ体験してきた人間たちが集う場所なので何か絆を感じるところですね。
個人的には、さっきも言いましたが、できたばかりのJATOに入会していたおかげ、日本人初の環境で仕事できるようにしてくれた団体ですね。
---なぜスカラシップの支援を始めたのですか?---
さっきも言いましたが、最近記憶が曖昧なので、はっきりした理由が思い出せません(笑)。
以前の理事の方々が決めて宙ぶらりんになっていた「奨学金」。立命の給料を考えて10万円なら毎年だせるかなと思い理事会で「10年は続けるから始めて良いですか?」と承認もらいました。特別な思いがあったわけではなく、奨学金を出すことならば、理事として自分がJATOに貢献できそうだったし、これで学生会員が少しでも増えてJATOの事を知ってもらえたらいいなぐらいな思いしかなかったです。
***Shinsuke Higashi Scholarshipに関する情報は以下URLを参照下さい***
https://www.jato-trainer.org/jato-scholarship/
---これからATCを目指す学生へ---
折角アメリカにいるのですから、勉強や実習だけでなく、異文化を満喫して下さい。アメリカナイズはされていますが、いろんな国の食べ物が簡単に手に入る国だし、いろんな国の人が集まっている国だし、日本にはない広大な土地や地形。アスレティックトレーニングだけでなくいろんなことを学んで経験して、人間的に面白い人になってください。
日本で就職を考えている学生さんは、オフの間に帰国してインターンしてください。アメリカと同じように、知らない人間に仕事を与えるよりは、働き振りを知っている人間を優先/紹介します。(金銭的に時間的に大変だと思いますが、、、。)
アスレティックトレーナーとしての仕事においては、その人が持っている資格ではなくて、その人の人間性がすごく重要だと思います。しっかりと人間性を磨いてください。(残念ながら、社会において人間性だけで高額な給料が貰えることはないですが、、、)大変なこともたくさんありますが、おもしろい職業です。頑張って下さい。
東さん、お忙しい中お時間を頂き誠にありがとうございました! アスレティックトレーナーになるきっかけが大学の構内新聞であったとは本当に運命ですね! また、”JATOが何かをしてくれるのではなく、JATOの為に何が出来るか”というお言葉は、心に響きました。来月インタビューには、PNF繋がりのあの方をご紹介頂きましたので、楽しみにしていて下さい!
第3回目の今回は、JATO理事である下河内洋平(大阪体育大学)先生が行われた研究をご紹介いただきました。
ぜひ、ご一読ください。
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Shimokochi, Y., Ambegaonkar JP, Meyer, EG., (2016). "Changing Sagittal-Plane Landing Styles to Modulate Impact and Tibiofemoral Force Magnitude and Directions Relative to the Tibia." J Athl Train51(9): 669-681.
「矢状面の着地方法の変化は脛骨に対する大腿脛骨関節間力と地面反力の大きさと方向を変える」
この論文は、被験者20名(男性10名、女性10名)に3つの異なる方法で台上からドロップ片脚着地を行ってもらい、大腿脛骨関節間力の脛骨長軸方向成分が最大になった時の地面反力(衝撃)と大腿脛骨関節間力の大きさと脛骨に対する方向を検証し、ACL損傷メカニズムとその予防の観点から考察を行った研究です。被験者は自分たちの好みのスタイルでの着地方法(SSL)、前重心でつま先から着地をするスタイル(LFL)、上体を起こして後ろ重心で踵から着地をするスタイル(URL)の3つのスタイルでドロップ片脚着地を行いました。三次元動作解析の結果、URLにおいては、最も大きな地面からの衝撃と最大脛骨大腿骨間力(どちらも体重の5倍以上の力)が最も早期(接地から0.037秒)に生じる結果となった。さらに、この接地から最大脛骨大腿骨間力が生じるまでの時間は膝を屈曲させる時間としては極端に短いため、結果として脛骨が前方にほとんど倒れず、地面反力が脛骨よりも前方に働くため、脛骨前方剪断力(体重の0.5倍)が最も生じやすい状態となった。しかし、LFLにおいては、地面からの衝撃が起きるまでの時間が最も長く(0.067秒)、その分膝を屈曲させる時間ができ、結果として脛骨の前方への傾きが大きくなるため、地面反力が脛骨を後方に押す方向で働き、逆に僅かな脛骨後方剪断力(体重0.1倍)が生じない結果となった。また、LFLでは地面からの衝撃も最大脛骨大腿骨間力の大きさ(どちらも体重の3.6倍程度)も最も小さい結果となった。
さらに、近年の死体による研究から、脛骨プラトーの後方傾斜が脛骨大腿骨間力の長軸成分を脛骨前方剪断力に変換させ、ACL損傷リスクを高めると考えられている。このことから、今回の実験データを使い、脛骨プラトーに15°の後方傾斜が存在すると仮定してURLのデータを計算しなおすと、脛骨プラトー後方傾斜が無い状態では体重の0.5倍程度だった前方剪断力が、15°の脛骨プラトー後方傾斜の存在により体重の1.75倍に増大する結果となった。この結果は、脛骨プラトーに大きな後方傾斜が存在するアスリートが、後ろ重心でしかも足関節で衝撃を吸収しない形で着地をすると、脛骨前方剪断力を著しく増大させ、結果としてACL損傷リスクも著しく高めてしまうことを示唆している。逆に、前重心で最大の衝撃を受けるときに膝が十分に曲がった状態にし、脛骨を前方に傾けた状態で衝撃を受け止めるような着地を行えば、ACL損傷リスクは軽減できることを示している。
JATO研究・教育委員会 下河内洋平
みなさま いかがお過ごしでしょうか。さて、先月から毎月30日にJATO研究教育委員からアスレティックトレーナーにとって関心の高いアカデミックな情報を配信し、共有してまいります。
第2回目の今回は、JATO研究・教育委員会 岸本康平氏にスポーツ選手の膝の前十字靭帯再建術に関する最新の論文をご紹介いただきました。
ぜひ、ご一読ください。
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Curran, M. T., et al. (2018). "Continued Improvements in Quadriceps Strength and Biomechanical Symmetry of the Knee After Postoperative Anterior Cruciate Ligament Reconstruction Rehabilitation: Is It Time to Reconsider the 6-Month Return-to-Activity Criteria?" J Athl Train 53(6): 535-544.
[原稿]
今回は前十字靭帯再建術に関する論文をご紹介します。この研究では、前十字靭帯再建術を受けた20名(女性12名、男性8名;平均年齢21.40±5.60歳)を対象に、競技復帰時と術後12ヶ月以上たった時点での膝伸展筋力、片足ジャンプ時の生体力学的機能評価、自己申告制機能評価を比較しています。結果として、競技復帰時においても、筋力、生体力学的機能ともに術側と健側には20%以上の非対称性があり、これらの非対称性は術後12ヶ月以上までで改善していきましたが、それでもなお多くの患者で10%以上の非対称性が残存しました。著者は、アメリカで標準的な6ヶ月の復帰基準のみにとらわれることなく、筋力や機能の非対称性を含めた多角的評価が必要であると述べています。また、現状のリハビリテーションパラダイムを見直し、研究に基づいたより厳密な復帰基準の設定が必要であると提言しています。このような非対称性の残存は再受傷や反対側の受傷につながることもあり、患者にとって大変不利益な結果になります。著者が提言した研究に基づく多角的な機能評価も大切ですが、受傷から復帰までに患者に最も長く関わるアスレティックトレーナーとして、数字に表れない評価も大切にし、万全な状態で復帰に繋げることが我々の存在意義ではないでしょうか。
[Abstract]
【目的】前十字靭帯再建術(ACLR)を受けた患者の競技復帰(RTA)時と術後12ヶ月以上での筋力と生体力学的機能を比較すること【対象】前十字靭帯再建術を受け競技復帰が出来た患者20名(女性12名、男性8名;平均年齢21.40±5.60歳)【方法】大腿四頭筋筋力の評価として、等尺性および等張性膝伸展筋力を測定した。生体力学的機能評価として、片足前方ジャンプ中の、矢状面での膝関節回旋の対称性、矢状面での膝関節回旋の変化、膝関節伸展モーメント、膝関節伸展モーメントの変化を測定した。また、International Documentation Committee Subjective Knee Evaluation Formを用いた自己申告制機能評価を行なった。
【結果】競技復帰時において、筋力、生体力学的機能ともに、80%以下の対称性を示した。等尺性筋力、等張性筋力、矢状面での膝関節回旋の変化、膝関節伸展モーメント、膝関節伸展モーメントの変化、自己申告制機能評価において、競技復帰時から術後12ヶ月以上で、改善がみられたが、復帰推奨基準(≧90%)を満たしたのはたった3例であった。【結論】前十字靭帯再建術後患者において、競技復帰時でも筋力面、機能面ともに非対称性を示した。また、これらの非対称性は、自己申告制機能評価とともに競技復帰後に改善がみられたが、術後12ヶ月以上においても、10%以上の非対称性が残存していた。
JATO研究・教育委員会 岸本康平
暑い日々が続いておりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は大貫さんの中身が濃いインタビューでしたが、今月は大貫さんからご紹介頂きました石井さんになります。日本に帰国して間もない石井さんですが、グローバルに活躍されています。是非一読下さい!!
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
アメリカでアスレティックトレーニングの勉強をしようかなと思ったのは高校生の時でした。中学・高校とサッカー部に所属していたのですが、怪我が多く、病院に行ったり治療院に行ったりする中で自然と「治療」に興味が起きたのが最初の理由だと思います。
そこから「じゃあスポーツとスポーツ医学が盛んなアメリカに行くか!」という比較的単純な流れで決断しました。静岡県の加藤学園暁秀高校という学校でバイリンガルプログラムという、英語を日常的に使う教育を受けていたので、渡米するのも比較的自然な流れでした。
渡米した最初の1、2年は自分が日本で思い描いていた「トレーナー像」とアメリカで活躍するアスレティックトレーナーとの差に強い違和感を感じていました。治療、リハビリ、運動指導に強い興味があった為、「もしかしたら自分がなりたいのはアスレティックトレーナーじゃ無いのかも」と思いはじめ、DO(Doctor of Osteopathic Medicine)やDPT(Doctor of Physical Therapy)に興味を持ちました。これらの職の方が自分のやりたい事ができるのでは?と思い、大学3年生位から大学卒業後はDOとPTの学校に進学する事を考えていました。
しかしその後、大学での実習やインターンシップを通し、結局自分が興味のあることは大きな枠組みで考えると、人間の体、ヘルスケア、そしてサッカー・スポーツであり、職業や資格に固執する必要はないのでは無いかなと言う事に気づきました。
アスレティックトレーナーへの思いの紆余曲折はありましたが、「職業」よりも「何が出来るか」というもっと根本的な部分に着目してからは、自分の目指すヘルスケアが主流と違っていても本質を捉えているならば進んでいこうと感じたのを今でも覚えています。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
印象に残っている事は沢山ありますが、学生時代の出来事とアスレティックトレーナーとして活動する中での出来事を1つずつシェアしたいと思います。
1つ目は大学1年生の時、実習先として配属されたTexas Christian Universityの野球部で、オフシーズントレーニング中に選手の1人が倒れた時のことです。意識もあるか無いかよく分からない状況に遭遇し、まだ大学1年生だった自分はオタオタしていましたが、その状況を冷静に対処するスーパーバイザーに感銘を受けたのと同時に、「アスレティックトレーナーが対処を間違えると人が死ぬ事があるかも知れないな」と初めて感じた瞬間でした。
2つ目はMLSのスポルティング・カンザスシティで働いていた時のことです。2014年シーズンからヘッドアスレティックトレーナーとして働くようになり、部署をリードする中で今までは考えなかった事を考える機会が増えました。部署にはどれくらいのスタッフが必要なのか?どの専門家やドクターと提携するのか?スタッフの育成はどうするのか?予算は?というトピックと対峙していく中で、ヘルスケアは一人でやれるものでは無いな、と改めて認識しました。「自分が解決できない問題は他の人が解決できれば良い」と言うと、人任せのように聞こえるかもしれませんが、今でも大切にしている価値観の一つです。ひとりでやるよりチームでやる方がケアする相手の為にもなります。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
今年2月に10年間所属したスポルティング・カンザスシティを辞め、現在は日本で14年ぶりの生活が始まりました。最低でも1年間は移行期間と捉えているので、今は集中しているプロジェクト毎に仕事内容や日々が変わります。
日本ではチーム所属ではなく、個人でクライアントに対して運動療法をメインにセッションをしたり、ヘルスケアやウェルネスに携わる人達、またはスポーツ現場でコーチ達が抱える問題を解決するためにコンサルティングをしたり、講師として所属するPostural Restoration Institute(PRI)のコースを日本で提供したりしています。
また、アメリカサッカー協会に男子サッカー代表のアスレティックトレーナーとしての仕事を頂いているので、代表チームが活動する期間はアメリカ代表チームに帯同しています。帯同時はヘッドアスレティックトレーナーとして、アシスタントやドクターと共に代表選手に対するケアをしたり、コーチと連携をとり選手状況に合わせて練習量や強度を調整したりしています。代表期間前は代表招集がかかる可能性のある選手の所属クラブに連絡をとり、選手それぞれの状況や招集期間中に継続して欲しいケアなどを確認します。また代表期間後は選手の所属チームに期間中の選手状況をレポートします。代表チームは選抜チームなので、スポルティングに所属していた時とはまた違った仕事内容であり、選手・チームとの関わり方となっています。
日本に移住したのですが、この半年は海外に出ている期間が長かったため、日本での活動は少しずつゆっくりと、という段階です。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
仕事内容でも述べた様に、プロジェクト毎に1日の流れが決まる毎日です。日本にいない時もありますし、家から仕事ができる日もあります。ただ以前から「夕飯は家族揃って」というポリシーがあるので(笑)、夕飯時には家にいます。家でできる仕事は家でやるというスタンスです。代表期間中は基本的に朝から晩まで、夜中の3時でも選手・スタッフになにかあったら出動です。
---石井さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
凄いポテンシャルを秘めている団体、そしてプラットフォームだと思っています。NATAとの関係もそう思う理由の一つなのですが、なによりもアメリカでアスレティックトレーナーになった日本人は面白い人がいっぱいいます。(笑)
母国の外に出るというメンタリティ、国内国外で色々な経験をしている人達、現場でバリバリな方や研究職につく方、視野がものすごく広い方、職人気質な方、様々な日本人アスレティックトレーナーに出会ってきましたし、これからもきっといろんな出会いがあるはずです。そんなアスレティックトレーナーの団体なのですごいポテンシャルがあると思っています。
今後、所属する人の能力を引き出すような団体、アスレティックトレーナーが必ず入りたいと思えるような団体、そんな組織に変わればな、と願っています。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
以前JATO会員だった時は加入のメリットが何か正直わかりませんでした。日本に帰国したのを機に再入会したので、メリットはこれから把握したいと思います。また、メリットを作っていけるような団体になる様、関わっていければと思っています。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
資格取得はひとつのマイルストーンに過ぎず、大事なのはその資格を取得して「何をするか」です。なので「自分は何をしたいのか」というビジョンを常にもってキャリアを積んでいって欲しいな、と思います。ビジョンがすぐクリアになる人もいれば、今は全然わからないという人もいると思います。キャリアの進み方もやり方も人それぞれ。最短距離走る人も、寄り道が多い人もいますが、楽しみながら進んでいって欲しいです。
石井さん、貴重なお話ありがとうございました。学生時代から様々な事を考えそれを実行に移し、現在も精力的に活動している姿本当に素晴らしいと思います。次回のインタビューは、先日JATOがリリースしました熱中症の記事を執筆して頂いた方を紹介頂きました。是非楽しみにお待ち下さい!!
平素よりJATOの活動にご理解とご協力を賜り御礼申し上げます
5月にお知らせしましたように、World Federation of Athletic Training & Therapy(WFATT)コングレス・総会を日本にて開催します。
盛夏の候 お変わりなくお過ごしでしょうか?さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、既成概念にとらわれない高谷温子さんのインタビューでしたが、今月は高谷さんからご紹介頂きました大貫崇さんになります。コーディネーターとして日本でのアスレティックトレーナーの地位向上に繋がる活動されている大貫さんのインタビュー是非お楽しみ下さい!!
今年もまた梅雨の季節がやってまいりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、情熱的な山口さんのインタビューでしたが、今月は山口さんからご紹介頂きました高谷さんになります。アスレティックトレーナーとして様々な事に精力的に活動されている高谷さんのインタビュー是非お楽しみ下さい!!
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
慶應義塾大学アメリカンフットボール部で学生トレーナーとして4年間活動をしていくなかで、多くのATCの先輩方に出会い、助けて頂いたことで、ATCになりたい、プロのアスレティックトレーナーになりたいと憧れたのが一番のきっかけです。
入部当時のアメフト部はトレーナーサポート体制がほとんど整っていなく、学生がどう頑張っても現場で対応するには限界があり、どうしていいかわからない、ということの毎日でした。環境情報学部に在籍しながら、他の学部で学生トレーナー活動に役立ちそうな授業を受講してみたり、選手の治療やトレーニングに一緒について行かせてもらったり、ATCの方々にお会いしては質問したり助けを求めたり。とにかく学べる所へ足を運んでいるうちに、もっと出来ること、やるべきことがあるはずでは?と自ずとATCの役割に興味をもっていったのだと思います。
日常的に起こる怪我への対応、救急処置、テーピングやリスク管理、トレーニングやリハビリ、医師や専門家のサポートスタッフとの連携など、当時の環境下では学べなかったことを、アメリカで実習を積みながら勉強し、経験を積みたい、絶対にATCになると大学2年生の時に夢みていたのを今でも覚えています。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
様々な怪我の対応やサポート、選手が復帰できたときやチームが勝利した時の喜びなどを挙げたらきりがないのですが、一番印象にのこっていることは、ATCとして「連携をする」「連携ができている」ということを目の当たりにした瞬間です。
ひとつは、Athletes’ Performance(現EXOS)でのパフォーマンススペシャリストとしてのインターンシップです。APの素晴らしい施設はもちろん、様々な専門家が連携して選手をサポートしているシステム、トレーニングとセラピーが同じフロアにあり、コーチとセラピストがいつでもコミュニケーションをとれる環境がとても衝撃的で、当時(2008年)の私にとっては夢のような場所でした。
当時のDirector of Performance TherapyのAnna Hartmanさんは選手やコーチからの信頼がとても厚く、「Annaに見てもらったら動きが良くなるし、問題が解決するんだよ」といわれるような存在で、コーチが担当しているアスリートがトレーニングにおいて何か動き方が悪かったり、何か疑問があったらAnnaを頼りにして相談に来ていました。
何をしているかとても興味深く、空いている時間を見つけては、ひたすらAnnaの傍でセラピーやコーチとのやりとりを見学させてもらっていました。「マジックみたいだけど、マジックじゃないんだよ」といいながら、質問のたびに私でもわかるような英語で嫌な顔ひとつせずに説明してくれたことに感動して、私もAnnaのような人になりたいと思い、パフォーマンスセラピストを目指しました。
その年にUndergraduateを卒業し、ATCとなって、それから3年間はGraduate Assistantとしてアメリカの大学で働きましたが、様々な局面にたたされても「連携をすること」を大切にしながらATCとしての経験を積むことができました。
Athletes’ PerformanceでAnna Hartmanさん, そしてLuke Richesonさんや咲花正弥さんというコーチとの出会い、そしてTCUの陸上チームでアシスタントATをされいていた谷澤順子さんがコーチやサポートスタッフと連携をしながら陸上のアスリートをサポートされている姿を傍で学べたからこそ、そしてその後APとの繋がりから中京大学でパフォーマンスセラピストとしての仕事を経てきたからこそ、今こうしてパフォーマンススペシャリストとパフォーマンスコーチの間をとったような形を目指してこられていると感じています。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
現在の仕事の内容は、簡単に言えば、「動きと感覚を引き出して、動きやすい身体づくり」をするサポートです。
肩書きとして、①パフォーマンスセラピスト、またパフォーマンスコーチとしてチーム・アスリートのサポート、②GRIT NATIONというワークアウトスタジオでのコーチ育成とプロジェクトの監修、③「MORACTテクニック」という筋膜(ファッシア)リリースのセミナーのプロジェクトチームの一員として、コンテンツ作成と講師を担当しています。すべての仕事において鍵になるのは、MindsetとMovement。「気づき」を与えることを主軸ににしながら、コーチとセラピストの役割を足して二で割ったような役割を、今ある環境で形にしようとしています。
アスリートのサポートを行う際には、選手一人ひとりが、どのように動きを捉え、それが身体や動きに現れているかを評価し、動作改善のサポートを行っています。とくに、ウエイトトレーニングの中で良い感覚で力を発揮し、その感覚をスキル練習での動きに繋げるための土台づくりのサポートが私の大きな役割です。そのため、練習やトレーニング、試合に帯同して動きをみたり、ウエイトリフティングのコーチやスキルコーチとコミュニケーションをとり、動きと感覚のすり合わせを行う時間を大切にしています。
ショートトラックスピードスケートや陸上競技のアスリートのサポートを軸にしながらも、年齢を問わずジュニアから高齢の方まで、一般の方の動作改善やパーソナルトレーニングにも携わり「動くことの楽しさ」を提供することにも力を入れています。その要素をコーチ育成に活用しながら、「グループワークアウト」として形にして提供しているのがGRIT NATIONです。動作不全、パフォーマンスのギャップをどう埋めるか?という課題に対し、既成概念にとらわれずに、仲間と一緒に様々なことに挑戦しています。
MORACTテクニックのプロジェクトにおいては、Fascia(ファッシア)、いわゆる“筋膜”の現時点での正しい情報の探求と普及と、日本オリジナルのツールと「評価とエクササイズ」を掛け合わせることで、動きやすい身体と動きへ繋げていくためのコンテンツとセミナー展開が大きな役割です。様々なバックグラウンドをもった医療従事者の方や治療家さんとの繋がりを広げ、より多くの人が“動けることが楽しい”と思って生きて行けるよう、MORACTとの出会いによって、「職人さん」「治療家さん」「患者さん」すべての人の生活を豊かにできるよう、プロジェクトメンバーと一緒に日々挑戦しています。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
上記の3つの仕事内容で一日の流れは大きく変わりますが、かなり流動的です。
GRIT NATIONにいる週の前半は、午前中は早くて朝6時からパーソナルトレーニング・コンディショニングが始まり、合間の時間に打ち合わせやアイディアを形にするという作業を行っています。午後はアスリートのパーソナルトレーニングを入れたり、グループワークアウトのシフトに入っている18-22時はインストラクターをしつつ、若手コーチの現場育成をしています。
ショートトラックチーム帯同サポートの時は、1日半(または帯同期間)の中で、氷上練習、陸上トレーニング、ウエイトトレーニング、私が担当するムーブメントセッションの時間に合わせて動くので、かなり流動的にはなります。「動きと感覚を引き出して、動きやすい身体づくり」から「思い描いている動き」ができるようにすることを優先にし、スタッフと連携をしながらパフォーマンス向上のサポートをしています。陸上選手の帯同サポートも同様に、コーチ陣との連携を大切にしながら、身体の整え方や動きの捉え方のMindsetへと繋げるようにしています。
---高谷さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?
ポジティブなパワーで溢れていて、「誰かの役に立ちたい」という思いで繋がっている仲間がたくさんいる場だと思っています。「自分らしさとは何?」と向き合わせてくれるし、そこに行けば自分らしくなれるし、そんな存在です。実際に、仕事や働き方で悩んで岐路に立った時や、自分らしさを失そうになった時にJATOのシンポジウムに行って、たくさんのATCの方々とお話をすることで一歩前に進めました。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
人との繋がりやネットワークが広がることが一番のメリットだと思います。
また、ATCとしてどのように社会に貢献できるか、アスレティックトレーナーの存在価値をあげ社会に認知してもらえるか、日本のスポーツ現場や健康産業をどう変えられるか…一人ではなかなか解決できないことを、JATOの一員として何ができるかを考えさせられ、いつも刺激をもらっています。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
Your limitations are few, your potential is vast.
これは、私が今でも一番大切にしている言葉で、Athletes’ PerformanceのインターンシップでいつもパフォーマンスコーチのLuke Richesonが私にかけてくれた言葉です。可能性は無限大、どんなに大きな壁があったとしても、信念や情熱を持って、しっかり道筋をたてて夢や目標に向かえば、たとえ軌道修正をしたとしても、かならず夢は叶えられます。何があっても自分で自分の可能性を狭めてはいけないし、常にあきらめずに挑戦し続けてください!
高谷さん、貴重なお話ありがとうございました。大学時代からATCになる事を夢見て、それを叶え、そして現在も自身の目標に向かいひたむきに努力をされている姿、本当に素晴らしいと思います。次回のインタビューは、現在医療従事者界で話題のトピックを中心に活動をされている方を紹介頂きました。是非楽しみにお待ち下さい!!
平素より大変お世話になっております。
今年度もルイジアナ州ニューオーリンズにて開催されるThe 69th annual NATA Clinical Symposia & AT ExpoにてJATO Receptionを開催をします。
この機会を利用し、交流を深めて頂けたら幸いです。
会員でない方もご参加頂けますのでお誘いの上ご参加ください。
またReceptionの前にJATO Student Seminarも開催します。
学生会員の皆様、是非この機会を活用ください。
こちらも会員以外の方ももご参加いただけます。
内容につきましては下記をご確認ください。
【JATO Student Seminar&Reception】
日時:2018年6月28日(木)
◎Student Seminar :18:00-19:00
講師:
近藤 朗 先生 Pima Community College
「 アメリカでの雇用者側から見た外国人ATCの現状、ビザなどの壁 」
上松 大輔 先生 JATO会長
「JATOと日本国内でのATCの活動について」
◎JATO Reception :19:00-21:00
場所:※ Student SeminarもReceptionも会場は同じとなります。
Hilton New Orleans Riverside
2 Poydras St.New Orleans, LA 70130
http://www3.hilton.com/en/hotels/louisiana/hilton-new-orleans-riverside-MSYNHHH/maps-directions/index.html
部屋:Grand Salon B
** Student Seminar & Receptionでのお手伝いへのお願い**
Student Seminar & Reception開催にあたり、ボランティアでお手伝い
いただける方を数名募集しております。
会場のセットアップや受付などが主な内容となります。
お手伝いいただける方がおりましたら、JATO事務局 辻(info@jato-trainer.org)までご連絡お願いいたします。
肌寒い日から一気に気温が上がって初夏を感じております。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、幅広く活動されている一原さんのインタビューでしたが、今月は一原さんからご紹介頂きました山口大輔さんになります。NBAのSan Antonio Spursでもアスレティックトレーナーとして長年活躍された山口大輔さんのインタビュー是非お楽しみ下さい!!
---アスレティックトレーナー(ATC)になろうとしたきっかけを教えて下さい---
バスケットボールが好きで、中学生の時からNBAに夢中になった事が根本にあるかもしれません。そして、中学生3年の時にバスケットボールと文化の交流の目的でニューヨークから同年代の子たち20名くらい(?)が自分の中学校に1週間ほど来てくれました。その時に、自分の家にその中の2名が滞在してくれた事も大きかったです。当時できるとは思わなかった英語でのコミュニケーションを体験し、アメリカに行きたいという想いが強くなりました。『バスケットボールに携わった仕事がしたい』というのと『英語を喋りたい』という想いからアメリカ留学の決断に至りました。あとは、スポーツの現場で働きたかった事、悪い動作を変えることで選手のサポートができるようになりたかった事でATCの道を選びました。ストレングスコーチという手段もあったのかもしれませんが、多分性格的、体力的にそちらの道は性に合わないという気もしていました(笑)。
---アメリカでの学生トレーナー時代に苦労したことや大変だった(または、よかったこと、嬉しかった)ことはありますか?---
初めの2年間は特に文化や言語に慣れることに苦労しました。インターナショナル同士の会話は互いに似た境遇にいる者同士だったので、楽しかったし不便は感じませんでした。しかし、現場でのアメリカ人のやりとりには全くついて行けず、遠慮がちだった事もあり周りから“できない奴”という感じで強く当たられていたのも覚えています。でも、そういった場に強制的に(自分で選んだ道ですが、カリキュラムとして。)入れさせてもらえていたお陰で、環境に慣れ、コミュニケーションを取れるようになったと思います。結局そう言った経験から文化を学び、コミュニケーション能力をつけた事で友人が増え、好きなスポーツを一緒にしたり、お酒を飲んだり、沢山の良い思い出を作る事ができました。また、僕が通ったIndiana State University(ISU)は、どんな技術や知識よりも「プロフェッショナリズム」を大切にする大学だったので、「自由の国アメリカ」というラフなイメージを持って飛び込んで行った自分にとって、最初は息苦しいほど身だしなみや態度について教育を受けました。『アスレティックトレーナーって面白くない世界かも』と思った事が何度もありましたが、学生インターンとして外の世界に出た時に、そのプロフェッショナルリズムが現場のATCからの自分の評価を高めてくれたと感じました。ISUを出た後、自分自身は何事においてもやはりラフさが出てしまいますが、根底にプロフェッショナルとして働く事がどういう事か理解できているお陰で今もATCとして仕事を続けられているのだと思います。
---アメリカでのアスレティックトレーナー(ATC)として、印象に残っている出来事がありましたら、教えてください---
色々とありますが・・・敢えて挙げるとすれば、自分がフルタイムATCとして仕事始めて最初の山場となったシーズン前のチームのフィジカルチェック(健康診断:以下フィジカル)での大失敗かもしれません。
当時NBA Development League(NBAのマイナーリーグ)のAustin Torosというチームで自分はヘッドアスレティックトレーナーの肩書きを頂いていた上で、用具係、トラベルコーディネーター、ストレングスコーチ、そして選手が寝泊まりするアパートのコーディネーターとしての役割も担っていました。バスケットボールのマイナーリーグではチームに参加する選手がシーズン前1週間ほどに決まる事もあり、全ての準備に僕はあたふた。しかも前任のアスレティックトレーナーだった人は何も引継ぎの情報を残してくれず(ちょうどリーグの変革期にもあった事でNBAのSan Antonio SpursというチームがTorosを買収した直後だったのもあったと思います)、全て一からの作業となっていました。
リーグからはフィジカルにおいて行わなくてはいけない最低限の検査内容が定められており、その中に心電図が必須とされていました。Torosが結成されて以来チームを見てくれていた病院とマネジャーの方にフィジカル当日の話をすると「そんな事今まで何度もやってお手の物。大丈夫よ。」と頼もしい返事。どうにか選手全員の飛行機の手配を済ませ、フィジカル翌日から始まる練習のための道具も揃えて準備は終了。
そしてフィジカル当日。アパートにかかる費用の都合上チームは選手をフィジカル当日にしか連れてこられなかった事、フィジカルができる時間帯が病院の都合で2時間しか取れなかった事で僕はそれぞれ検査が行われる部屋に選手を連れて行くのに精一杯。予定の2時間を過ぎてはしまいましたが、病院にいたスタッフの手伝いもあり、なんとか選手全員の検査も終了。選手陣をアパートまで送り、医師、スタッフと検査書類が揃っていることを確認した後、御礼を言ってほっと一息。時計を見ると21時を回っていました。
リーグに書類を送って翌日朝からの練習に備えようとしたところで問題発覚!
心エコー図の書類はあるが、心電図の書類がどこにも無い!まさかEchocardiogram(心エコー図)とEKG(Electrocardiogram:心電図)を間違えたのでは?!
慌てて確認を取るとその通り〜。
もう病院は閉まっている。リーグ責任者に問い合わせてもそれでは練習はさせられないとの返事!
雇われて早々にクビを覚悟しました。冷や汗が出た出た。『そのまま知らなかった事にして翌日普通に練習やってもらおうか』というアイデアが何度も頭の中を過ぎりました・・・。
長い葛藤の後(実際の時間としては5分も無いかも?)、覚悟をして当時のチームのGM(僕を雇うと決めた人物)に連絡をしました。
するとGMは、
「よく正直に話してくれた。大変だったと思うが、ヘッドコーチとは話したのか。彼と話をして今やれる次のステップを考えればいい。大丈夫、なんとかなるよ。」というお言葉!
そしてヘッドコーチに連絡をすると、
「そうか、大変だったな。過ぎた事は仕方ない。これはDiceという人間が試練をどう乗り越えるかというテストだ。せっかくの練習の時間を失う事はコーチとして非常に辛い事だ。だから明日の午後には練習をしたいと思う。どうにかしてDiceの力で午前中に必要な試験を終わらせられるよう手配できるか?君なら絶対大丈夫。頼むぞ。」
心を震わされました。
そんな二人の言葉と、病院の医師、スタッフの助けのお陰で翌日午前にフィジカルを無事終え、午後からチームの初練習を行える事になりました。
「何事も人に任せてはダメ。全ての責任は自分にあり。」と心に刻む事ができた大失敗でした。それがあったお陰でその後の困難も乗り越えて来れたのだと思います。
ちなみに、当時のGMは現在NBAのNew Orleans PelicansのGMとして、ヘッドコーチはUtah Jazzのヘッドコーチとして活躍しています。素晴らしい方々と一緒にいられた運命に感謝!!!
---帰国後から現在の仕事に至るまでの過程を教えてください。(就職活動?の苦労話など)---
帰国が決まってから1年は仕事をせずに受けたかったセミナーを沢山受けて勉強に時間を費やしました。日本で何ができるかわからなかったので、アメリカで使っていた評価ソフトを日本に持ってきてビジネスにするか、どうしようか考えていました。ただ、そのビジネスも日本に持ってこられるか雲行きが怪しくなり、どうしようか考えていたところ大学時代の知人のツテで、以前から話を聞いて見たかった室伏広治さんと会える機会をもらいました。会ってみると、タイミングよく彼がアスレティックトレーナーを探しているという事で現在の大学のポジションに就かせていただく流れとなりました。
苦労話、ではないですね(笑)。
僕は運が良いんです!
---現在の仕事内容を教えて下さい---
アスリートへの傷害予防とパフォーマンス向上を目的としたトレーニング指導をする傍で室伏広治さんと一緒に彼の研究課題のまとめと実験を行なっています。
時間のある時にはバスケットボールの小中高生を中心としたクリニック(研修会)での指導も行っています。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
基本的に平日勤務。その日によりますがアスリートのトレーニング指導が大体合計で4−5時間。後は研究のための文献を読んだり実験をしたり、ミーティングをしたり、という感じです。
---山口さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
似たような経験を積み、同じような文化的背景をシェアできる仲間達と繋がれる場だと思います。自分の仕事に熱意があって、時にアツすぎるくらいかもしれないけど、それ以外の事も大切にできる人達が沢山いる場。僕にとって遠慮しすぎずに入っていける心地の良い場所。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
“加入する”メリットはあるのかどうか、正直わかりません。でも、そんなJATOと、日本のスポーツ現場の状況をどうにか変えようとする仲間達がいるのを見て、アスレティックトレーナーを知ってもらうために、トレーナーの輪を広げるために、日本の子供達の将来のために、できる事は何かあるかと考えさせられている自分がいつもいます。形にして見えるメリットはまだ無いのかもしれません。でもATCとして良い刺激をもらえる場所だと思います。
---これからATCを取得してアスレティックトレーナーを目指している学生にメッセージをお願いします---
僕らは今インターネットやSNSにより様々な情報をどこでも容易に得られる便利な世の中にいますが、そのせいか、人の良さが形に見える「できる事」「知っている事」で以前以上に判断されるようになっている気がします。もちろん、専門職である僕らの分野において「知識」を持つことは必要ですし、それ自体が技量を手っ取り早く測れるツールでもある思います。でも本当に大切なのは形に現れにくい「人間力」だと僕は信じています。
アスレティックトレーナーの魅力は何と言ってもアスリートやクライエント、患者さんたちと直接コミュニケーションをとって身体のケアについてのプランニングができる事です。そこに必要なのは知識以上にその相手と「繋がる」事。十人十色と言うように、世の中にはそれぞれ違うバックグラウンドを持った人々がいて、そのような人々と繋がるためには豊かな人間性を持つ必要があります。
自分の興味のある事、好きな事、楽しい事を大切にして、勉強のみならず色々な事を経験して見てください。僕は日本に帰ってきて、知識だけのためなら日本にいてもアスレティックトレーナーとしての学びは十分にできる環境があると感じています。でもアメリカで揉まれる事で学んだ語学や文化のおかげで人間としての幅広さを身につける事ができたと自負しています。その人間力こそが、他人には無い僕自身の武器だと思っていますし、日本のATCの持つ強みとなり得るのでは無いかと考えています。
鍵は「楽しむこと」にあり、です!
山口さん、アメリカで学んだプロフェッショナリズムと大失敗から学んだ貴重な経験を包み隠さず、お話していただき誠にありがとうございました。彼から溢れ出す人間性を感じました。来月は、山口さんが「天真爛漫だけど芯はブレない」方という女性アスレティックトレーナーのインタビューになります。是非楽しみにお待ち下さい!!
The temperature rises rapidly from a chilly day and starts feeling early summer. How are you all doing? By the way, on the 15th of every month, we have introduced the members of JATO who work worldwide on the Facebook and Homepage (Blog section) as an introduction relay project.
We interviewed Mr. Ichihara last month who does a variety of work. For this month, we interviewed Mr. Daisuke Yamaguchi, whom Mr. Ichihara recommended. Please enjoy reading an interview of Mr. Daisuke Yamaguchi, who had worked as an athletic trainer for many years at NBA's San Antonio Spurs!
--- Please tell us how did you become an Athletic Trainer (ATC) ---
I like playing basketball, and there may be the root of being addicted to the NBA since I was a junior high school student. Also, when I was a senior of middle school, about 20 students who were the same age as me visited my middle school from New York. They were there for about a week for the purpose of exchanging culture and playing basketball together. It was a great experience that two of them stayed at my house. I communicated with them in English that I did not think I could do at that time. This experience made my desire to go to the United States stronger. I decided to study in the United States from the idea of "I want to work with basketball" and "I want to speak English." After that, I chose ATC because I wanted to work in the sports field and wanted to be able to support the players by changing the wrong movements or postures. There might be a choice of being a strength conditioning coach, but I also felt that my characteristics or physical strength do not fit it. (laughs)
--- Have you had any difficulties or hard time when you are a student in the United States (or good and happy experience)? ---
During the first two years, I struggled to get used to culture and language in particular. The conversations with international students were fun, and I didn't feel uncomfortable since we were in similar situations. However, I remember that I was strongly hit with the feeling of "a man who cannot do anything" because I was not able to follow communication of American people at all, and I had tended to hesitate. However, I was able to get used to the environment and to communicate with them because I was forced to enter such environment (the path I chose by myself, but as a curriculum). After all, I learned culture from these experiences, and by improving my communication skills, I was able to make friends, play favorite sports, drink alcohol, and make many good memories. Also, since I attended Indiana State University (ISU), which was a university that valued 'professionalism' more than any technology or knowledge. I jumped in with a rough image of 'freedom America' and I was educated about my life and attitude at first. I thought that "the athletic trainer is not the interesting field" many times, but when I went to the outside of ISU as a student intern, the professionalism raised my evaluation from the ATC. After leaving ISU, I still get rough in everything, but I am still working as an ATC because I understand what it means to work as a professional at the very bottom.
--- As an Athletic Trainer (ATC) in the United States, please tell us if you have any events that have impressed ---
There are a lot of things.... If I have to choose one, it may be a significant failure in the physical check (physical ) of the team before the season when I started working as a full-time ATC. I was working as a Head Athletic Trainer at Austin Toros in the NBA Development League (a minor league of the NBA). My job role included equipment management, travel coordination, strength conditioning, and coordination for the apartment where the players stayed asleep. In the minor basketball league, some players who join the team are decided about a week before the season, so I had a hard time for all preparations. Moreover, those who were athletic trainers of the previous team did not leave any information about the job (I think that it was just after the team of San Antonio Spurs of NBA just bought Toros because it was also in the period of league change), so I had to work from scratch.
The minimum examination content that has to be performed with physical has been defined by the league, in which the electrocardiogram was required. When I told the hospital and manager about a physical day, who had seen the team since Toros was formed and said, "I've done so many things so far. It's all right.” I arranged the planes for all the players, and I got all the tools for practice starting on the day after the physical. On a physical day, I was very busy with bringing players to each examination room since physical time zone was only 2 hours for the convenience of the hospital and the cost of the apartment, the team was able to bring the players just on the physical day. Although it passed two hours scheduled, the examination of all the players has ended with the help of the staff at the hospital. After sending the players to the apartment and checking completed documents with doctor and staff, I said appreciation to staffs and I was able to take a rest. When I saw the clock, it already passed at 9:00 pm.
I found problems when I sent documents to the league and tried to prepare for the next morning practice! There is an echocardiogram document but no ECG document! They might make a mistake between Echocardiogram (echocardiogram) and EKG (Electrocardiogram: electrocardiogram)? !
When I checked a little quick, I was right. The hospital is already closed. When I asked the leader of the league, he said that players would not be able to practice without ECG record! I prepared to be fired from the team immediately. My flop sweat came out. The idea of "I pretend to not to notice with the document and let them practice the next day normally" has passed through my mind many times .... After a long conflict (5 minutes or less?), I made up my mind and contacted the GM on that day (who decided to hire me).
Then GM said "Thank you for telling it honestly. I think that it was tough, but did you talk to the head coach? Talk to him and think about the next step what you can do now. You are fine, it will be alright.
And when I contact the head coach, "Oh, it should be hard for you. There is nothing wrong with it. This is a test of how the person "Dice" gets over this challenge. Losing practice time is very painful as a coach. I want to practice in the tomorrow afternoon, can Dice somehow arrange to finish the required exam in the morning? You can do it, I believe you.
My heart was shaken. Thanks to the words of these two people and the help of the doctor and staff at the hospital, I was able to finish the physical the next morning and start the first team practice from the afternoon.
It was a significant failure that I was able to keep in mind that "I cannot leave everything to people; I am responsible for everything." I could get over the difficulties after that because of that.
By the way, GM of those days is currently working as GM of NBA's New Orleans Pelicans, and a head coach of Toros is working as head coach of Utah Jazz. I appreciate that I was able to work with wonderful people!
---Please tell us the process of how you get to your current job. ( Story of job hunting? etc...) ---
One year after I decided to come back to Japan, I spent a lot of time studying, taking many seminars which I wanted to take. Because I did not know what I could do in Japan, I was thinking about how to bring the evaluation system used in the US to Japan as a business. However, it became difficult to bring as a business to Japan. I was wondering what to do, and I had an opportunity to meet Mr. Koji Murofushi, whom I wanted to see before. My friend from college introduced him to me. When I met him, it turned out that he was looking for an athletic trainer and I was able to get the current university position.
It's not a hardship story (laughs).
I am lucky!
---What is your current job---
Along with teaching training for athletes with the purpose of injury prevention and performance improvement, I summarize and conduct research with Mr. Koji Murofushi.
When I have time, I also instruct at a workshop (training session) focused on basketball for elementary, junior high, and high school students.
--- Please tell me your schedule of the day ---
I usually work on weekdays. Depending on the day, I teach training for athletes about 4-5 hours. After that, I read literature, conduct researches, and have meetings.
--- What is JATO for Mr. Yamaguchi? ---
I think that it is a place where you can connect with people who had similar experiences and can share similar cultural backgrounds. There is enthusiasm for my work, sometimes it's too much, but there are lots of people who can do something other than that. A comfortable place for me to enter without too much restraint.
--- Please give a message to student who are trying to be athletic trainers ---
We live in a convenient environment by the development of internet and SNS which made us easier to get various information anywhere and anytime. Due to the fact, I feel that we are judged more with what you can do and what you know than before. It is important to get knowledge with our field, and it is an easy tool to measure our ability. However, I believe that the most important thing is “your quality as a person” which cannot see easily.
The attractive point of an athletic trainer is to be able to discuss and plan the treatment with athletes, clients, and patients. The connection is more important than knowledge. There are many people with a different background in the world, and it is necessary to have excellent quality to communicate with them.
Please cherish things you are interested in, things you like, things you enjoy, and experience you get as well as study. After I came back to Japan, I feel that we are able to earn knowledge as an athletic trainer in Japan. But I believe whatever I experienced in the United States such as learning English, failures, and culture improved my quality as a person. I think that the quality which I have is my weapon which others do not have.
The key is “to enjoy!”
Mr. Yamaguchi, thank you for telling us everything about professionalism and valuable experiences which you learn from a big failure. I felt great human power from him. We will interview a female athletic trainer whom Mr. Yamaguchi says, "She is an impulsive woman, but she is a woman with a stalwart heart." Please look forward to it! !
本日は皆様へ重要なご報告がございます。
この度、2019年に開催されるWorld Federation of Athletic Training & Therapy(WFATT)のコングレス・総会のホスト国として立候補し、承認されました。
JATOはWFATTの設立メンバーとして2001年より加盟して参りました。2020東京オリンピック・パラリンピックを目前に控える2019年の本イベントの開催は、"国内外のスポーツ医科学関連団体と協力し、我が国及びアジアにおけるアスレティックトレーニングの発展、普及に努める"というJATOのミッションにも適っていることから、理事会内での慎重な議論を経てこのような決定に至った次第です。
今後も詳細が決まり次第JATO Facebookページ、ツイッター、そしてホームページにて報告をさせて頂きます。
JATOツイッターアカウント: @JATO_ATC
是非フォローお願い致します。
【WFATTとは?】
全米アスレティックトレーナーズ協会(National Athletic Trainers' Association)が各国に働きかけて出来たアスレティックトレーナー(AT)の国際機関であり、世界中のATの普及活動を行っています。世界37団体・機関がメンバーとして加盟しており、JATOは設立メンバーになります。そして、2年に1度、総会・コングレスを開催しており、2019年はJATOがホスト国に選ばれました。
皆さん、お元気でしょうか?
JATOでは、活動を支援して頂ける賛助会員を3つのカテゴリー(Sカテゴリー、Aカテゴリー、Bカテゴリー)に分けて募集をしております。
そこで、今回は“Bカテゴリー”についての詳細、そして協賛して頂いております9社のご紹介をさせて頂きたいと思います。
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① JATO賛助会員について
対象:本会の目的、趣旨に賛同し、援助するアスレティックトレーニング関連用品・サービスを扱う企業
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② 賛助会員B 年会費&特典
年会費 50,000 円
特典:
1. 当機構ウェブサイトリンクページへの社名・ロゴ掲載、リンク
2. JATO より会員向けに御社商品宣伝をメール配信(年 2 回)
3. JATOシンポジウムまたはセミナー参加者配布物への協賛社ロゴの掲載
4. JATOシンポジウムまたはセミナー参加者へ広告等の配布
③ 賛助会員申し込み方法
以下URLを参照下さい。
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④ 2018年賛助会員B企業紹介(順不同)
1. 株式会社R-body project
事業内容: スポーツ、健康施設の経営及び運営、スポーツ、健康施設の経営、運営及び開発に関するコンサルティング業務 など
URL: https://r-body.com
2. 株式会社タケコ―
事業内容: 衛生製品の企画販売 (スポーツウェア、スポーツ用具などの除菌・消臭製品、手指足用除菌・消臭ジェル)
URL: http://takeko.co.jp/
3. 株式会社リーチ
事業内容: アスレティックトレーナーに知識や技術だけでなく在り方も含めワークショップやセミナーを提供すると共に健康づくりに関するプログラム開発を行う
URL: http://www.reach4d.jp/index.htm
4. 酒井医療株式会社
事業内容: パワーリハビリテーション、入浴装置、メディカルリハビリテーション
URL: http://www.sakaimed.co.jp/
5. NCN米国大学機構
事業内容: アメリカの大学への進学・留学
URL: http://www.ncn.ac/
6. 一般社団法人日本かしこめし協会
事業内容: かしこく生きる健康ライフスタイル啓蒙活動、ネットワーク作り など
7. 特定非営利活動法人日本トレーニング指導者協会(JATI)
事業内容: 科学的根拠に基づいた質の高いトレーニング指導ができる人材育成を目的とした資格の発行、管理、またそれらに関連する事業
URL: https://jati.jp/
8. 株式会社KTAJ (タチリュウコンディショニングジム)
事業内容: パーソナルトレーニング、トレーナー派遣スポーツチームサポート など
9. 株式会社サンクト・ジャパン
事業内容:スポーツ機器の販売、スポーツ用品卸小売業
URL: https://www.sanct-japan.co.jp
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---Why did you decide to be an Athletic Trainer?---
I was considering Athletic Training as my occupation after working as an athletic training student for the American football team at Waseda University for four years. Working under the supervision of Jiro Shikakura, ATC influenced my dream of being an Athletic Trainer. Also, I was concerned that our society was not safe enough for young athletes. In my senior year of college, I started wondering how we could improve this situation. I researched and found that Athletic Training education in the United States focused on emergency skills and injury prevention, so I decided to study there. Delivering athletic training service where it was not provided became one of my career goals.
---Tell us any of your memorable experiences at school or work---
During my intern and as a Certified Athletic Trainer, I was lucky enough to work with and learn from Athletic Trainers who have over 25 years of experience. Sometimes Athletic Trainers are judged by the reputation of their employers or techniques they have. I believe their attentiveness when treating patients and work ethics built over their careers have more of an impact on my working philosophy. Now that I supervise Athletic Training students at a college, I always ask myself, "What would they do if they were in this situation?"
---What is your current job?---
I am a member of a Non-profit organization, Sports Safety Japan, and promote safe administration in sports, which is one of the reasons why I wanted to be an Athletic Trainer. This is my life's work. I also run my own business, "ALIGNE", and work in a variety of fields using my Athletic Training background. I am always seeking out new fields for Athletic Trainers, not only in a sports setting. In my practice, I support the American football team at Waseda University and the Men's Lacrosse team at Musashi University as an Athletic Trainer. I also work at Yokohama Baseball Osteopathic Clinic to prevent young baseball players from serious elbow injuries. I also coordinate an internship program relating to sports and offer a support program for those who want to study Athletic Training in the U.S. A program on improving personal health is another service I offer with my business outside of the sporting field as an Athletic Trainer/Health Management Advisor.
---How is your schedule on an ordinary working day?---
Since my locations vary, I see different people every day. Basically, I am on the field on weekends, and every day other than that my schedule varies.
---What do you think about JATO?---
I believe JATO is a great organization which has common goals in promoting Athletic Training in Japan and connecting with those in the field in other countries.
---What do you think the benefit of being a member of JATO is?---
Having opportunities to communicate with other ATCs who are working both in Japan and abroad is one. Also, you can see different places of work, ethics, and styles, which may inspire your future practice as an Athletic Trainer.
---Please leave a message for future Athletic Trainers---
If you have an interest in this work, be honest with yourself. Try to make your choice the best than spending the time to look for the best.
春の日差しが心地よく感じられる日々が続いておりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、知的な吉田さんのインタビューでしたが、今月は吉田さんからご紹介頂きました一原さんになります。アスレティックトレーナーとして様々な事にパワフルに活動されている一原さんのインタビュー是非お楽しみ下さい!!
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
早稲田大学米式蹴球部で学生トレーナーとして四年間活動した後に、自分にとって職業としてアスレティックトレーナーを選ぶかどうかを判断しようと思っていました。鹿倉二郎ATCの下で活動させて頂いたことがATCへの憧れに繋がったのは事実ですし、大学四年生で真剣に進路を考え始めた際に日本の高校生以下のスポーツ現場が未だ安全にスポーツを行える環境ではない事に危機感を持ち、どうすればそういった環境を変えられるのだろうと思い始めました。そして、色々と調べたところアメリカのアスレティックトレーナー教育では緊急時対応や怪我の予防に対して重きを置いていると知り、アメリカで学ぶ事を決めました。手が届いてない場所に当たり前に存在するべき環境を整えることがATCとして実現したい私の夢になりました。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
学生時代と社会人として働いた場所全てで、幸運にも25年から30年のキャリアを持つアスレティックトレーナー達に学び、共に仕事をさせて頂く機会に恵まれたことです。時に働いている競技のレベルや臨床で行っているアプローチのスキルレベルでアスレティックトレーナーが評価されてしまうこともありますが、私はそれ以上に長年のキャリアの中で彼らにしか見えない部分やWork Ethicを肌で感じたことが今自分の働き方にも大きな影響を与えています。大学スポーツの現場で学生トレーナー育成に携わる中でも『こんな時彼らならどうするかな?』と考えながら活動をしています。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
ATCを目指した理由でもあるスポーツ現場の安全管理体制の啓蒙を行なっているNPO法人スポーツセーフティージャパンに所属をし、活動しています。私のライフワークです。そして、個人ではALIGNE代表として様々なフィールドでアスレティックトレーナーのバックグラウンドを生かして働いています。アスレティックトレーナーが活躍できる場をスポーツ現場だけでなく、様々な分野で新たな働き方ができないかを模索しています。現場の仕事としては早稲田大学米式蹴球部、武蔵大学ラクロス部をサポート。ユース世代の野球選手に対しては横浜ベースボール整骨院の投球外来で投球指導もしています。また、スポーツ関連海外研修プログラムの企画と実施、アスレティックトレーナーとしてアメリカで学びたい方に対しての留学サポートプログラムも行なっています。スポーツ以外でも企業の健康経営事業へアスレティックトレーナー/健康経営アドバイザーの立場でプログラム作成から実施を行い、従業員に対するQOLの向上にも携わっています。
---現在の1日の流れを教えて下さい---
仕事内容でも述べましたが、様々な環境で仕事をしているので日々関わる方や仕事をする場所も変わります。基本的には週末に現場でのチームサポートを中心に行う以外は流動的なスケジュールです。
---一原さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
『国外との繋がりを意識した中での日本』のアスレティックトレーニングを普及させていくために、同じマインドを持った方々で大きな動きを出していける集団だと思います。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
JATOに加入するメリットとしては、国内外で活動するATCとの繋がりを作る場を持つことができること。また、会員の方々の活躍する様々なフィールドを見ることでどのように自分自身がアスレティックトレーナーとして活動していくかを考える参考になると思います。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
とにかくやりたいことがあれば、『やりたい、興味がある』というその気持ちに正直にまずは行動してみてください。どの道に進むのが正解なのかを悩むよりも、自分がその時点で選んだ道を自分の力で正解にする、そんな心持ちで突き進んでください。
一原さん、お忙しい中時間を割いて頂き誠にありがとうございました。アスレティックトレーナーを軸に、様々な分野で活躍されており、今後のATCとしての新たな働き方の方向性を見せて頂きました。来月は、一原さんの“兄貴的な存在”で、JATOのセミナーにも登壇頂いている方のインタビューになります。是非楽しみにお待ち下さい!!
皆さん、お元気でしょうか?
JATOでは、活動を支援して頂ける賛助会員を3つのカテゴリー(Sカテゴリー、Aカテゴリー、Bカテゴリー)に分けて募集をしております。
そこで、今回は“Aカテゴリー”についての詳細、そして協賛して頂いております7社のご紹介をさせて頂きたいと思います。
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① JATO賛助会員について
対象:本会の目的、趣旨に賛同し、援助するアスレティックトレーニング関連用品・サービスを扱う企業
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② 賛助会員A年会費&特典
年会費 100,000 円
特典:
1. 当機構ウェブサイトトップページへの社名・ロゴ掲載、リンク
2. JATOより会員向けに御社商品宣伝をメール配信(年4回)
3. JATOの開催するNATA総会でのレセプション参加
4. JATOシンポジウムまたはセミナー会場内の展示ブース設置 1回
5. JATOシンポジウムまたはセミナー参加者配布物への協賛社ロゴの掲載
6. JATOシンポジウムまたはセミナー参加者へ広告等の配布
7. JATOシンポジウム懇親会へのご招待(3名様まで)
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③ 2018年賛助会員A企業紹介(順不同)
1. J-Workout株式会社
事業内容: 日本初の脊椎損傷者専門トレーニングジム
2. ミューラージャパン株式会社
事業内容: Mueller Sports Medicine 社製テーピング用品、サポーターなどのスポーツケア®製品の製造・輸入・販売 など
URL: http://www.muellerjapan.com/
事業内容: 筋膜スリックテクニックの施術及び施術者の育成・普及 など
URL: http://www.fasciaslick.com/
4. 有限会社トライ・ワークス
事業内容: スポーツチームでのトレーナー業務、海外研修ツアーの企画・実施、専門学校での講義業務、など
URL: http://www.tryworks.co.jp/
5. 株式会社ムトーエンタープライズ
事業内容: スポーツ用品、運動補助品(テーピングテープ・サポーター等) の輸入・製造ならびに販売 など
URL: http://www.mutoh-ent.co.jp/
6. 株式会社エヌディエス
事業内容: 施設運営、トレーナー出向、企業・団体等との提携、販売、育成・研修事業、イベント・講師業など
7. 特定非営利活動法人スポーツセーフティジャパン
事業内容: スポーツセーフティ(プログラム提供、ライセンス発行), スポーツ施設/チームの安全環境の評価・研修など
URL: https://www.sports-safety.com
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④ 賛助会員申し込み方法
以下URLを参照下さい。
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We cannot wait for the signs of cherry blossoms. How is everyone? Following the Pyeongchang Olympic Games, Paralympic Games are also exciting.
On the 15th of every month, we present a JATO member who is active worldwide in the relay format on our Facebook page (@jato1996) and in blog column on JATO official website.
Last month we introduced Dr. Shinobu Nishimura, an associate professor of marketing course at Toyo University School of Business, who also was the team manager and the head coach of a football team. This month we are pleased to present Dr. Saori Yoshida. Please enjoy her story with the full of love for Athletic Trainer, everyone!
桜の便りが待ち遠しくなってまいりました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?オリンピックに引き続き、平昌パラリンピックも盛り上がっていますね。
さて、毎月15日に世界各国で活躍しているJATO会員をリレー形式紹介企画として、Facebook(@jato1996)とHomepageのBlog欄(https://www.jato-trainer.org/blog/) にて紹介しております。
先月は、東洋大学経営学部マーケティング学科准教授として教育・研究に励み、さらに、体育会アメリカフットボール部の部長兼ヘッドコーチとしても活躍されている西村忍さんにお話を伺いました。今月は吉田早織さんから“アスレティックトレーナー愛”溢れるお話を伺うことができました。ぜひ、ご一読ください!
皆さん、お元気でしょうか?
JATOでは、活動を支援して頂ける賛助会員を3つのカテゴリー(Sカテゴリー、Aカテゴリー、Bカテゴリー)に分けて募集をしております。
そこで、今回は“Sカテゴリー”についての詳細、そして協賛して頂いております3社のご紹介をさせて頂きたいと思います。
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① JATO賛助会員について
対象:本会の目的、趣旨に賛同し、援助するアスレティックトレーニング関連用品・サービスを扱う企業
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② 賛助会員S年会費&特典
年会費 200,000 円
特典:
1. 賛助企業の扱う商品のモニター事業への協力*
2. 当機構ウェブサイトトップページへの社名・ロゴ掲載、リンク
3. 御社 HP に JATO ロゴおよびリンク掲載権(賛助会員 S の期間)
4. JATO より会員向けに御社商品宣伝をメール配信(年 6 回)
5. JATO の開催する NATA 総会でのレセプション参加
6. JATOシンポジウムまたはJATO主催セミナーにおけるスポンサータイム(10分程度:昼休憩時に実施予定)1回
7. JATOシンポジウムまたはJATO主催セミナー会場内の展示ブース設置 1回
8. JATOシンポジウムまたはJATO主催セミナー参加者配布物への協賛社ロゴの掲載
9. JATOシンポジウムまたはJATO主催セミナー参加者へ広告等の配布
10. JATOシンポジウム懇親会へのご招待(3名様まで)
***年2回まで、JATO による商品調査対象者の会員からの選定(~10 名)、依頼実施その後は、賛助会員による調査(聞き取り、および使用後の感想の聴取、各商品1回程度の会員による協力訪問による聴取、およびメール等による商品についてのフィードバック)***
***マーケット調査実施の際、新商品等の情報秘匿が必要な場合は、参加会員に情報の取り扱いに関する書面をお取り下さい***
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③ 2017年賛助会員S企業紹介(順不同)
1. ユナイテッド・スポーツ・ブランズ・ジャパン株式会社
事業内容: スポ―ツ用品おより医療用品の企画開発・輸入販売
URL: http://www.mcdavid.co.jp/
2. 株式会社クラブビジネスジャパン
事業内容: フィットネス経営情報誌「フィットネスビジネス」および(フィットネスビジネス)特別版、インストラクター・トレーナーのキャリアマガジン「月刊NEXT(ネクスト)」の編集および出版業務、他
URL: http://www.fitnessclub.jp/
3. 株式会社ビジョナップ
事業内容: 世界初の“見るチカラ”スポーツビジョンを鍛えるメガネ「VIsionup®ビジョナップ®」の製造販売。
URL: http://visionup.jp/
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④ 賛助会員申し込み方法
以下URLを参照下さい。
https://www.jato-trainer.org/賛助会員-our-sponsors/賛助会員募集要項/
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Even though we cannot leave coat yet with this cold weather, how is everyone going? A symposium will be held this weekend, so I would like you to come and visit us. By the way, we are introducing JATO members who are active in various countries around the world on the 15th of every month in the relay format introduction project on Facebook and Homepage (Blog column). Last month I got to hear stories from Mr. Oki who support strong Rugby team, but this month we were able to hear stories from Mr. Nishimura who is the well rounded athletic trainer. Please read through! ! JATO Public Relations Committee
--- Why did you decide to become an ATC? - -
From the experience of going to the chiropractic clinic in my neighborhood every time I injured in club activities in junior high school or high school, I thought that in the future I would like to take a profession able to support athletes in the sports scene.
--- Do you have any events left in the impression during the student and social worker days? - -
(Events during he was a student trainer) My taping was not too bad when English was still a problem at Western Michigan University (WMU) student trainer for the first year. Sometimes I was told to be a little tight, but two of my first-grade gymnastics girls liked the taping of the ankle very much, and jokingly told to an assistant athletic trainer that "I want you to become our trainer when I become the 4th grade.". Three years later, the assistant trainer remembered the story, I was able to work two semesters in fall and winter, through one season, and travel alongside the expedition as an athletic training student although students are originally experienced in different sports on a semester-by-semester basis. It was a great pleasure everyone sang and gave me birthday cakes with secrets to surprise at away game.
(Event before WMU graduation) In the town where I lived there was a semi-professional American football team called Kalamazoo Tornadoes. Since I had experience as a player during college years, I received a trial and passed successfully. When I participated in the first practice after passing, there was a player who was a good friend of mine at the American football club of WMU. Since he did not know that I have passed as a player, he thought that he said: "Trainer came!" The coach registered me as a "playing trainer". On the day of the game, as soon as I got to the game venue, I got ready to tape up the players, I changed clothes and started warming up as soon as I finished taping. I was already tired before the match, but it was a precious experience I could never forget that international student fellows came and cheered at home game
--- Please tell us about the current job ---
In April 2018, I will be in the 9th year as Associate Professor of Toyo University School of Business Administration. There are three main tasks, education, research, and campus work. Education is I am in charge of lectures, exercises, and practical skills of sports health science subjects, which are general education courses. Because the subject in charge is an elective subject rather than a compulsory course and because it is not a specific major subject but a liberal arts subject, I focus on having enjoyable classes including three principles of health, things related to diet, training method, etc. Regarding the research, we report the results of the research on academic presentations and papers on the mechanisms of injuries caused during American football competition (primarily ankle ligament injury, concussion, burner syndrome etc) and preventive measures. After deciding to host the Tokyo Olympic Games and Paralympic Games in 2020, I began to be interested in research areas related to sports and marketing, and recently I am studying by participating in research societies and academic societies in those fields. Campus work is a big part involving participating in various committees and meetings sorted within the majors as representatives and reporting to the faculties, engaging in entrance examinations as exam supervisor such as recommended entrance exams and general entrance examinations. In addition, I am on the ground as a manager and head coach of the athletic association American football club on weekends. Because there is no sports recommendation entrance frame, I provide teach techniques from the beginning to the members who are the majority of American football inexperienced people and aiming for the promotion of part of the team as a whole.
---Please tell us the process from returning to Japan to the current position ---
When learning in the master's program of WMU, I was having a very enjoyable lesson from Professor Moss who was a supervisor and I started wanting to work at the educational site than sports scene. I had a teacher's license (Health and Physical Education) but I wanted to teach contents on sports injury and training theory with high specialty. After returning to Japan I went to the doctoral course of Nihomon Sports College which is my old school and aimed for a university faculty member. And in March 2005 I got a Ph.D. (Physical Education Science) from my doctoral dissertation "A Study of Ankle Ligamentous Injuries in College Football Players". In addition, at the same time as entering school, I worked as an American football trainer, as an assistant trainer and offensive line coach for 1 year at my old school, and played for 3 years as head trainer and player at Tokyo Gas Creators who belongs to X league. As a head trainer of the U-19 Japan representative team, I got to travel all over the world. As a researcher, I worked as an assistant professor /research assistant for five years from April 2004 at Keio University Physical Education Research Institute. During this period, I worked not only education and researchers, but also I have experienced at the sports scene of 4 years for the sports association American Football Club, 3 years and 6 months for the Women's Football Club Conditioning Advisor, 3 years for the End Hunting Conditioning Advisor. However, as my personal opinion, from this experience, in Japan I felt a limit to acting on a sports scene as ATC, and in March 2010 I got a Judo therapist License.
- What is JATO for Mr. Nishimura? - -
I think that it is a place to meet many Japanese ATCs and also a place where you can get various information and opportunities. ATCs who get along with went through the same kind of circumstances in the United States and has reached it now. Therefore, I feel that it is a place where fellows who can talk about anything regardless of age and sex gather
--- Please tell us the merits of joining JATO ---
I think it is very difficult to acquire 50 CEU in 2 years to maintain qualification as an ATC while establishing the foundation of life in Japan. By participating in JATO, you can learn not only the opportunity to learn information about the latest sports medicine but also CEU by participating in general meetings and various workshops. I think there is no doubt that JATO is helping me to maintain the ATC certification acquired as a proof that I have studied abroad.
--- Please give a message to students who are aiming for ATC now ---
Education is not preparation for life, education is life itself. This word is the word I met when I was studying abroad. Currently, I am not working as ATC, but by learning athletic training to be ATC and through various experience I was able to find a goal that I would like to work at current work. By challenging everything, meeting various people who can meet once in a life, I think that you can find the things you really want. I think it is important to be people would like to know more about being interested and continuous learning will surely be utilized for future learning.
Mr. Nishimura, Thank you for your precious time while you are busy!! You are challenging everything with all of your energy and the story touched my heart. Next month, I introduced an intellectual woman, so please look forward to it
晩寒の候、まだまだコートが離せない毎日ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?今週末にはシンポジウムが開催されますので、是非足を運んで頂ければと思います。
さて、毎月15日に世界各国で活躍しているJATO会員をリレー形式紹介企画として、FacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、ラグビー強豪校を支えています大木さんの話を伺いましたが、今月は西村さんの“文武両道”の話を伺う事が出来ました。是非一読下さい!!
JATO広報委員
---何故ATCになろうと思ったのですか?---
自分自身が中学・高校の部活動でケガをする度に、近所の接骨院に通った経験から、将来はスポーツ現場で選手をサポートできる職業に就きたいと思いました。
---学生、社会人時代に、印象に残っている出来事はありますか?---
(留学時の学生トレーナー時代の出来事)
Western Michigan
University(WMU)の学生トレーナー1年目のまだ英語がおぼつかない頃、テーピングはまだ比較的ましな方でした。少しきつめと言われることもあったのですが、仲良くなった器械体操女子部1年生の2人がとても足首のテーピングを気に入ってくれて、「4年生になったら、私たちのトレーナーになって欲しい」と当時のアシスタントトレーナーに冗談で言ってました。3年後、それを覚えていてくれたアシスタントトレーナーは、本来はセメスター単位で違う競技で経験を積むのですが、秋冬の2セメスター、1シーズンを通した学生トレーナーとして遠征にも帯同させてもらいました。遠征先で誕生日を迎えた時に、サプライズでチームみんながお祝いのケーキと歌を歌ってくれたことは、本当に嬉しかったです。
(WMU卒業前の出来事)
住んでいた町には、Kalamazoo
Tornadoesというセミプロのアメフトチームがありました。大学時代に選手としての経験があったので、トライアウトを受けると見事に合格しました。合格後の最初の練習に参加すると、WMUのアメフト部で仲の良かった選手がいました。選手として合格したことを知らない彼は監督に「トレーナーが来た!」と言ったと思ったら次の瞬間、監督も「トレーナーとしてもよろしく」とまさかの“プレイングトレーナー”としてメンバー登録されることになりました。試合当日は、試合会場に着くとすぐに選手達のテーピングを巻く準備をして、巻き終わるとすぐに自分も着替えてアップをする、そして試合に出るというシーズンでした。試合前からすでに疲れている状態でしたが、ホームゲームの時に留学生仲間が駆けつけて応援してくれたことは、忘れられない貴重な経験でした。
---現在の仕事内容を教えて下さい---
2018年4月で東洋大学経営学部マーケティング学科准教授として9年目を迎えます。仕事内容は、大きく分けて教育、研究、学内業務の3つあります。教育は、教員としていわゆる一般教養であるスポーツ健康科学科目の講義・演習・実技を担当しています。担当科目は、必修科目でなく選択科目であるため、また専門科目ではなく教養科目であるため、健康3原則やダイエットに関すること、トレーニング方法などについて、様々な事例を入れながらおもしろおかしく学生が楽しめる科目となるように心がけながら授業をやっています。研究については、アメリカンフットボール競技中に引き起こされる傷害(主に足関節内側靱帯損傷、脳震盪、バーナー症候群など)のメカニズムや予防対策などについて、学会発表や論文などで研究成果を報告しています。また2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会の開催が決定してからは、スポーツ・マーケティングに関する研究領域について興味を持ち始め、最近はその分野の研究会や学会などに参加して勉強しているところです。学内業務とは、学部内で振り分けられた様々な委員会や会議に代表として参加し学部に報告する、推薦入試や一般入試などの試験監督としての入試業務に携わるなどが大きなところです。また、体育会アメリカフットボール部の部長兼ヘッドコーチとして、週末はグラウンドに立っています。スポーツ推薦枠が無いため、アメフト未経験者が多数を占める部員に一から技術指導を行い、チーム一丸となって一部昇格を目指しています。
---帰国後から現在に至るまでの過程を教えて下さい---
WMUの修士課程で学んでいる時に、指導教官であったモス教授の授業が非常に楽しかったことより、いつの間にかスポーツ現場から教育現場で働きたいと思うようになりました。教員免許(保健体育)は持っていましたが、専門性の高いスポーツ傷害やトレーニング理論に関する内容を教えたいと思い、帰国後は母校である日本体育大学の博士課程に進学し、大学教員を目指しました。そして、2005年3月に博士論文「A
Study of Ankle Ligamentous Injuries in College Football
Players」で博士号(体育科学)を取得しました。また、進学と同時に学生時代に競技をしていたアメリカンフットボールのトレーナーとして、母校でアシスタントトレーナー兼オフェンスラインコーチを1年間、その後Xリーグに所属する東京ガスクリエイターズでヘッドトレーナー兼選手として3年間プレイしました。U-19日本代表チームのヘッドトレーナーとして海外遠征にも帯同しました。研究者としては、慶應義塾大学体育研究所にて2004年4月から5年間、助手・助教として勤めました。教育と研究だけでなく在籍期間中は、体育会アメリカンフットボール部ヘッドトレーナーを4年間、女子サッカー部コンディショニングアドバイザーを3年6ヶ月、端艇部コンディショニングアドバイザーを3年間、異なる競技の現場で経験を積んできました。しかしながら、個人的な意見ですが、この経験より日本ではATCとしてスポーツ現場で活動するのに少し限界を感じて、2010年3月に柔道整復師免許を取得しました。
---西村さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
たくさんの日本人ATCの方々と知り合う場であり、また様々な情報・機会を得ることができる場所なのかなと思っています。ここで親しくなったATCは、当然ながらアメリカで同じような境遇で頑張って資格を取得して、今に至っています。ですから、年齢や性別に関係なく何でも話せる仲間が集まる場であるように感じています。
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
日本に生活拠点を置きながら、ATCとしての資格を維持するために2年間で50CEUを取得するのは、非常に困難だと思います。JATOに加入することにより、総会や様々なワークショップに参加して、最新のスポーツ医科学に関する情報を学ぶ機会を得るだけでなく、CEUも取得することが可能となります。留学して頑張った証として取得したATCの資格を失効せずに今も維持できているのは、JATOのお陰だと思っています。
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
Education is not preparation for life, education is life itself.
この言葉は、留学していた時に出会った言葉です。今現在、ATCらしい仕事に就いている訳ではありませんが、ATCを目指して学んだことによって、様々な経験をして今の仕事をしたいという目標を見つけることができました。何事にもチャレンジすることによって、また一期一会で様々な人との出会いによって、本当にやりたいことが見つかると思います。興味のあることをもっと知りたいと思う“何だろう君”になって、学び続けることが自分の将来に必ず活かされると思うので、頑張って下さい。
西村さん、お忙しい中貴重なお時間ありがとうございます!! 何事も全力でチャレンジしているお話を伺う事が出来、胸が熱くなる思いになりました。
来月は、“知的な女性”を紹介して頂きましたので、楽しみにしていて下さい!!
国内のほとんどの中学・高校の部活の引率や指導は、顧問の先生に一任されていることが多い現状があります。しかし、先生や保護者たちがスポーツそのものの技術だけでなく、安全対策や傷害予防について学び、有事の責任を負うには負担が大きすぎます。
野球部を始めスポーツの強豪校として知られる早稲田実業では、アスレティックトレーナーが常勤で勤務し、怪我の予防やコンディショニング、応急処置を行なっています。このように常にスポーツ医学の専門家への扉が開かれた学校環境は、まだ数えるほどしかありません。それを実現している現場では、どのような取り組みを行なっているのでしょうか。
今回、早稲田実業の常勤アスレティックトレーナーである小出敦也氏を講師にお迎えし、一般の方向けにスポーツセーフティセミナーを開催致します。
より多くの方にスポーツの安全について知っていただきたいという思いから、事前申込みにて参加費無料とさせていただきました。
関西在住のスポーツ指導者、保護者、学生トレーナー、トレーナー関連の活動をされている方などにぜひ、ご周知いただけたら幸いです。
一人でも多くのアスリートが、健康で安全にスポーツを楽しめる社会を、一緒に作っていきましょう!
How is everyone doing this winter? The 2018 Winter Olympic is the hot topic on TV and website.
We have introduced JATO member to share their stories on our Facebook and web page (Blog Column) on the 15th every month.
Last month, we had the interview with Ms. Inoue who has worked with a positive attitude in tough situations. This month, we are introducing Mr. Ohki who is an athletic trainer for a rugby team at Teikyo University and was also a classmate with Ms. Inoue. We had an interview with Mr. Ohki right after he worked the 54th Japan Collegiate Rugby Championship Final. Please enjoy!!
皆さん、厳しい寒さが続きますが、いかがお過ごしでしょうか。テレビやネットのニュースでも平昌オリンピックの話題ですね。
さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、逆境や困難もプラスに捉え活動されている井上さんのインタビューでしたが、今月は井上さんと同窓で帝京大学ラグビーのアスレティックトレーナーの大木さんになります。ラグビー全国大学選手権決勝直後のお忙しい中、インタビューにお答えいただきました。是非一読下さい!!
皆様、良い新年の幕開けが迎えられましたでしょうか?平昌オリンピックまであと1か月。オリンピックに出場するアスリート、関係者の皆様のご健闘と安全をお祈りながら精いっぱい応援しております!
365日をどう過ごすか、寒さの中に春の気配を感じることもあると、時も季節も待ってくれないことをつくづく感じます。
東京オリンピック2020で日本人として、スポーツを支える人間としてできることはなんだろう、今年は何を勉強しよう、これからの自分に必要なことは何だろう、、、と思っているあなた。ぜひ2月17日、18日に立命館大学茨木キャンパスで開催される、JATOシンポジウムに参加してはいかがでしょうか!
オリンピック開催国では、オリンピック終了後国民の健康、運動への意識は高い状態が数年続いていると言われています。それを支える我々がともに何ができるか。オリンピックと同時期に開催される今回のシンポジウムは、一緒に考えることができる時間になることと思います。
学生さんも多くの先陣を行くプロフェッショナルな方々に会いにいらしてください。資格の垣根を越えて、スポーツ現場を中心に働く皆様にお会いできるのを楽しみにしています。ぜひシェアしていただければ嬉しいです。
今回のシンポジウムでは、NATABOC、JATI、NSCAの単位を取得していただけます。
NATABOCのATCはBOC-CEUs:
両日参加で、カテゴリーA 最大10.5単位*(申請中)
17日:4.5単位
18日:6.0単位
EBPカテゴリー(17日開催) 1.5単位(申請中)
JATI :申請中
NSCA:最大1.2単位(各日0.6単位)も取得できます。
シンポジウムお申し込みサイト
https://www.jato-trainer.org/symposium2018/
スポーツセーフティーお申し込みサイト
https://www.jato-trainer.org/…/jato-スポーツセーフティセミナー2018-申し込み…/
新年明けましておめでとうございます。
昨年中は、ジャパン・アスレティックトレーナーズ機構(JATO)の活動にご理解とご協力を賜り、御礼申し上げます。本年も、JATOをどうぞよろしくお願い致します。
昨年は、JATOの20周年という節目の年に、北島康介氏と伊調馨氏というオリンピック レジェンドをお迎えして、20周年記念イベントを開催することができました。開催にあたっては多くの皆様からご協力を頂くこととなりましたが、改めて御礼申し上げます。
このイベントでは、一般人を対象とし、アスレティックトレーナーの認知度向上を趣旨とした貴重講演など、これまでのJATOにない試みとなりました。
また、昨年から全米アスレティックトレーナー協会(NATA)の全面的な協力のもと、脳震盪や熱中症など、アスレティックトレーニングに関わるトピックに関するNATAの公式見解・ポジションステートメントを翻訳、公開するプロジェクトも進行しています。
2018年もJATOは、国内、国外の関係機関と連携しながら、日本、アジア地域のアスレティックトレーニング学の普及、アスレティックトレーナーの地位向上のために、様々な活動を行なっていく所存です。
2018年1月5日
JATO会長 上松大輔 ATC. PhD.
2017年、皆さんにとってどんな1年だったでしょうか? まもなく2018年の幕開け。先日、1日目の講義の内容をお届けいたしましたが、今日は2日目のご紹介です少しお付き合いください。
1日目は「予防と疾病からの回復」がテーマの中心でしたが、2日目は「2020年東京オリンピックとその先に向けてより動きを探求する」内容が詰まっています。
受講者の皆様に聞いていただきたい松本秀男医師の「スポーツ医学 2020そしてその先に向けて」
慶応義塾大学スポーツ医学総合センターで活動される松本先生がみている2020年、そしてその先のスポーツ医学の道筋を共有できる時間になると思います。
動きをより探求、向上するテーマとして里大輔氏の「スプリントをデザインする(講義・実技)」。日本のラグビー代表、ヨーロッパのプロアスリートなどにスプリント、スピードトレーニングを指導されています。今回体に熟知しているアスリートに関わる専門職の皆さんに、アスリートの怪我からの復帰そしてパフォーマンス向上の為に知っておいていただきたい走らせる技術を講義と実技でお伝えしてくれます。
澤野博氏の「動作局面に応じたトレーニング構造(講義・実技)」「疲労とトレーニング戦略(講義)」は、動作の多様性を高めるために、競技における様々な局面での速度変化などに対応できる体つくりに必要なトレーニングのお話と、疲労というとらえどころのない、でもアスリートのパフォーマンスにとってとても大切な要素を科学的側面からプログラムデザインするお話をしてくださいます。世界のトップアスリートのトレーニング管理を担ってきた澤野氏ならではの情報が聞けるはずです。
細川由梨氏には「熱中症研究の最前線(講義)」、Philippe Gribble氏にはアスリートだけでなく体を動かす人全員に関わる「足関節の慢性不安定症(講義)」について、1日目に受講できなかった方のためにも大切なこのトピックについてもう一度お話をしていただきます。
阿部慶太郎氏はアスレティックトレーナーであり理学療法士、現在7人制ラグビーの日本女子代表のストレングスコーチも務めています。怪我の予防、選手のコンディショニング把握とトレーニング強度の設定などの講義と実技を通して、選手のコンディショニング管理方法などより実益の高い内容になることと思います。
2日目もスポーツセーフティー啓蒙を目的として、一般参加者への無料講座をご用意しています。
早稲田実業で日本でいいいつの常勤アスレティックトレーナーである小出敦也氏に学校環境におけるATの役割、問題点、そして日本の中学高校教育現場でのスクールATの必要性などお話していただきます。学校関係者、学生トレーナー、今後教職につきたい学生さん、養護教員など学生の安全と健康管理に従事する皆様にぜひ聞いていただきたい内容です。こちらも事前申し込みで無料となっておりますので、皆様のお知り合いにご紹介いただけましたら幸いです。
この2日間、スポーツ医学に関わる全ての専門職の皆さまと共に学びたいと願っています。
ぜひ多くの方にご紹介いただき、皆様にお会いできるのを楽しみにしています。
今年も1年、JATOの活動をご支援いただきありがとうございました。2018年もJATOを通して、皆様の発展のサポート、そして日本のスポーツ医学の未来の力になる活動をしていきます。一緒に歩みを進めていけることを心より願っています。素敵な年末年始をお過ごしください。
ありがとうございました!!
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。今年も残すところあと半月になりましたが、慌ただしく年の瀬を過ごしている事と思います。
さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、パワフルな活動を日々実践されている市毛さんのインタビューでしたが、今月は市毛さんからご紹介頂きました井上さんになります。アスレティックトレーナー、育児、そして介護までをこなしている井上さんのインタビューです。是非一読下さい!!
JATO広報委員
---ATCになろうとしたきっかけを教えて下さい---
「高校生の時に良く読んでいたOliveと言う雑誌に、ATCという職業の紹介として杉山ちなみさんの記事が載っていて、それを読んだ事が一番最初のきっかけです。」
---アメリカ時代の一番の思い出は何でしょうか?---
「ウェスタンミシガン大学で男子体操部の担当だった時に、本来は選手だけで行く予定だった遠征があったのですが、選手がコーチに絶対トレーナーが必要だと掛け合ってくれて、予算が足りないなら自分たちがと言ってカンパしてくれた事で行く事になった遠征です。選手に自分の仕事、存在価値を認めてもらえたのだと感じた出来事でした。」
---現在の仕事内容や仕事に対する井上さんのポリシーを教えて下さい---
「現在は八王子スポーツ整形外科のメディカルフィットネス部門で、アスレティックトレーナーとして仕事をさせて頂いています。スポーツ整形外科と連携し、術後のクライアント様のスポーツ復帰、スポーツ選手やスポーツ愛好家のトレーニングなどを指導させて頂いています。仕事をする上でのポリシーは、クライアント様一人一人の可能性を最大限引き出し、好きなスポーツを長く続けられるお手伝いをする事です。」
---現在の1日の流れを教えて下さい---
「9時30分から午後16時までの介護時短勤務です。その中で、クライアント様一人当たり60分から90分のトレーニングを行います。」
---井上さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---
「JATO発足時のコンベンションは、学生トレーナーだった私と悪友とで、ミシガンからフロリダまで24時間運転して行った忘れられないコンベンションです。インターネットも現代のように発達していない中、JATOが無ければアメリカや日本で活躍されているATCの方々と交流を持てなかったと思います。あれから20年も経っている事に驚きですし、今では公式NATAアフィリエイトとなり、会員も当時からは想像出来ない程増えた事を嬉しく思います。公式NATAアフィリエイトであるJATOは、自分一人では出来ない人との繋がりはもちろん、最新のアスレティックトレーニングに関する情報を得たり、学ぶことの出来る場所だと思います。」
---JATOに加入するメリットを教えて下さい---
「皆さん感じられている事だと思いますが、やはり日本にいながらCEU獲得や学ぶ機会の情報を得られる事ですね。留学中の学生さんは、自分もそうであったように日本のATCの現状、就職状況などの情報が得られ、様々な人との交流が出来る事がメリットになるのではないでしょうか。」
---これからATCを目指している学生にメッセージをお願いします---
「 ”この世に起きる事は全て必然で必要、そしてベストのタイミングで起こる” 私の好きな言葉です。自分もそうだったように、学生の皆さんには、なんでこんな事しなければ?なんでこんな目に?と思う事が起こると思います。それは社会に出ても続きます。それでも、自分にとって一見嫌な出来事は必ず自分の為になるはずです。特に女性であれば結婚、出産、育児、介護と、仕事をする上で様々な壁とぶつかる事も多いと思います。自分自身出産育児によって、以前のようにチームに帯同する仕事から離れましたが、スポーツ整形外科と言う環境でたくさんの患者さんから勉強をさせて頂き、自分の引き出しを増やす事が出来ています。また、妊娠し出産するという自分の体の変化を経験するという事も女性トレーナーとして必ずプラスになるはずです。介護も同じ事が言えますね。私は2年前から自分の母の介護をしていますが、介護を通して考えさせられた事は数えきれず、それもまた自分の引き出しを増やす事につながっていると思っています。ATCを目指して頑張っている皆さん、ATCを目指す中で遠回りだなと思うような出来事や、自分ではどうにもならないと思う事が起きたとしても、絶対にATCになるという強い気持ちを持ち続け、今の自分に出来る事をして下さい。そして、自分を取り囲む人々や環境に常に感謝する事を忘れずにいて下さい。」
井上さん、お忙しい中貴重なお時間ありがとうございます!! 井上さんが今までどのような人生を送られてきたのかの一旦を垣間見ることが出来ました。また、最後のメッセージは井上さんの熱い気持ちが込められており、是非我々も“今ある環境”に感謝しながら過ごしていきたいと強く思いました。来月は、“パワフルな男性アスレティックトレーナー”を紹介して頂きましたので、楽しみにしていて下さい!!
2018年2月17日(土)18(日)
1. 2018年2月17日 14:00~15:30(受付13:30~) *定員80名
講師:佐保 豊氏 ATC, CSCS
テーマ:「スポーツセーフティーコンセプト〜
※JATOシンポジウムのオープンセミナーとなっているため、
対象:チーム運営関係者、マネジメント担当者、
2. 2018年2月18日 11:00~12:30(受付10:30~) *定員100名
講師:小出 敦也氏 ATC, PES
テーマ:「理想のスクールアスレティックトレーナーの姿とは~
※シンポジウム参加者を除く一般参加者のみ
対象:スポーツ指導者、部活動顧問、アスリートの保護者、
☆両セミナー共通事項
申し込み開始:2017年12月14日(木)
事前申し込み締め切り:2018年2月15日(木)
☆詳細は公式サイトをご参照ください。
JATOスポーツセーフティーセミナー2018 公式サイト
URL: https://www.jato-trainer.
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競技、レベル、年代、性別を問わず、
アスレティックトレーナーの資格を持ってプロとして活動をされて
“スポーツ現場の安全について考慮したいが、
“アスレティックトレーナーがチームや学校にいれば、
このような疑問にお答えすべく、
そんな思いから、本セミナーを企画致しました。
「できるだけ多くの方に、気軽に参加していただきたい」
それを実現させるために、
あなたの周りに興味がありそうな方がおられましたら、
当日、皆様にお会いできることを心よりお待ちしております。
師走、、、時間は走っていくといいますが、本当にあっという間に寒さがやってきました。皆さま2017年を総括して、2018年の更なる飛躍に向けていかがお過ごしですか?
先日ご連絡しました2018年のJATOシンポジウムのお申し込みの準備が整いました。お申し込み開始は本日2017年12月7日(木)になります。
参加を考えている方は、お早目のお申し込みが断然お得です!今回のシンポジウムでは2日間受講される方にとってもお得な早期割引をご用意いたしました!JATOの会員だけでなく、すべての2日間受講者の方が対象です。学生さんはさらにとてもお得になっております。ぜひ素晴らしい経歴と経験の講師の皆さんのお話を2日間楽しんでください。
同じ週末に京都マラソンが開催されるため、宿泊施設などの確保をお早めにしていただくことをお勧めしています。
添付写真は、早期割引と通常受講料のリストになります。
シンポジウムサイト
https://www.jato-trainer.org/symposium2018/
JATOオフィシャルTwitterでは頻繁に情報を公開していますので、ぜひフォローしてください! Twitterアカウント:@JATO_ATC
各講師のプロフィール、講義内容、シンポジウム情報などをこれから随時アップしていきます。
2018年2月17日(土)、18日(日)に大阪茨木市の立命館大学大阪いばらきキャンパスでJATOのシンポジウムが2日間にわたって開催されます。
2017年に創立20周年を迎え、このシンポジウムは日本におけるさらなるスポーツ医学の発展、スポーツそして健康産業に携わる皆様とともに、最新のスポーツ・健康科学について学ぶ場となるように準備をしてきました。
12月初旬に申し込みサイトがオープンしますが、それに先立ち講師の皆様のリストとテーマをご紹介します。受講講座は実技と講義をご用意しており、選択制となっております。
2月17日(土)9時40分~17時30分、懇親会19時15分~20時40分
Dr. Phillip Gribble「Predicting Lateral Sprain:A Path to Prevention」(英語講義)
Dr. Phillip Gribble「Ankle Sprain and Chronic Ankle Stability-A Significant public and sports medicine concern in physical active populations-」(英語講義)
細川由梨 「熱中症研究の最前線」(講義)
細川由梨 「アメリカから学ぶスポーツセーフティー」(講義)
佐藤晃一 「反射トレーニングのススメ:近位と遠位スタビリティの構築」(講義・実技)
森憲一 「パフォーマンスに直結する解剖・生理・運動学の知識と技術」(実技)
佐保豊 「スポーツセーフティーコンセプト」(一般オープンセミナーも兼ねています)(講義)
2月18日(日)9時~17時30分
里大輔 「スプリントをデザインする」(講義・実技)
澤野博「動作局面に応じたトレーニング構造」(実技)
澤野博「疲労とトレーニング戦略」(講義)
細川由梨 「熱中症研究の最前線」(講義)
松本秀男 「スポーツ医学 2020 そしてその先に向けて」(講義)
阿部慶太郎 「女子セブンス日本代表での取り組み」(講義)
Dr. Phillipe Gribble 「Ankle Sprain and Chronic Ankle Stability-A Significant public and sports medicine concern in physical active populations-」(英語講義)
一般オープンスポーツセーフティーセミナー
小出敦也 「理想のスクールアスレティックトレーナーの姿とは〜早稲田実業の実際とケーススタディ〜」(講義)
注:諸事情により、最初のタイムテーブルから若干の変更がございました。
https://www.jato-trainer.org/symposium2018/
JATOオフィシャルTwitterでは頻繁に情報を公開していますので、ぜひフォローしてください! Twitterアカウント:@JATO_ATC
各講師のプロフィール、講義内容などをこれから随時アップしていきます。
次回は早期割引と受講料についてお知らせします!
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。今年も残すところあと1ヶ月半となり、日ごとに寒さを感じる季節になりました。選手やご自身の体調管理もより一層配る時期ですね。
さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、経験豊富な佐藤晃一さんならではのお話を聞かせて頂きましたが、今月はバイタリティ溢れる素敵な女性ATCであり、ラジオのパーソナリティーもされていらっしゃる市毛貴子さんから心が熱くなる素敵なお話をお伺いすることが出来ました。是非皆さんご一読ください!!
JATO広報委員
---アスレティックトレーナー(ATC)になろうとしたきっかけを教えて下さい---
「大学進学の準備をしていた頃、幼少時代からプロ野球選手を目指して頑張っていた弟が肩を壊しました。リトルリーグ、シニアリーグ、そして強肩を買われて茨城から横浜の野球の強豪校に入学しましたが、肩が完治せずに思い通りのプレーが出来ず3年の夏にチームが甲子園出場した時にはベンチにすら入れない状態でした。そんな苦しんでいる弟の姿や、完治させる為に全力を尽くしている両親をみていて私に何か出来る事はないかと思った事が第一のきっかけです。実際には弟を助ける事は出来ませんでしたが、『弟のように間違ったトレーニング方法で怪我をしてしまいスポーツを楽しめなくなってしまうyoung athletes(若手の選手)の力になりたい!』と強く思いました。」
How is everyone doing? It will be one and half months to leave this year, it
became a season when I feel cold every day. It is a time to distribute the players and your own physical condition even more.
Now, we have been introducing activities of JATO members who are active in the world as a relay format introduction project on the 15th of every month through Facebook and Homepage (Blog
column).
Last month we introduced Mr. Kohichi Sato who had various experiences and this month we were able to ask and hear great stories that touched our heart from Ms. Takako Ichige, a wonderful female
ATC who is full of vitality, and also works as a radio personality. Please read everyone! !
JATO Public Relations Committee
--- Please tell us what motivated you to be an Athletic Trainer (ATC) ---
"When I was preparing to go to college, my brother, who worked hard from an early age to become a professional baseball player, broke his shoulder. He entered a powerful baseball school in
Yokohama from Ibaraki because of his little league,senior league, and his strong shoulder, but he could not play as he desired without having a healthy shoulder and he could not even stay on the
roster when his team went to the Koshien when he was in his junior year. I was brought into the athletic training field because I was wondering if there was anything I could do for my brother who
was in pain, and my parents who were doing their best to help his shoulder completely. I was not able to help my younger brother, but I strongly thought "I would like to assist young athletes who
are unable to enjoy sports due to injuries from wrong training methods.”
気がつけばもう11月。今年も残すところあと2ヶ月となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、来年2月17日18日に大阪の立命館大学OICキャンパスにて2018シンポジウムが開催されますが、そこで講義をされる講師が続々と決定しています。今回はその中から2名をご紹介したいと思います。
・Phillip Gribble氏(University of Kentucky)
・細川由梨氏(Korey Stringer Institute)
Phillip A. Gribble 氏
Phillip A. Gribble PhD, ATC, FNATA
ケンタッキー大学准教授、アスレティックトレーナー学部ディレクター。主に足関節の傷害予測・予防の研究を国際的に取り組んでいる。Ankle instabilityの分野の第一人者として、彼の研究はNew York Timesをはじめ数多くのメディアに取り上げられており、また国内外のワークショップやシンポジウムで多数の講演を行っている。International Ankle Consortium(AIC)のCo-Directorも努める。
細川 由梨 氏
Yuri Hosokawa, PhD, ATC
コネチカット大学博士課程在籍中よりKorey Stringer Institute(KSI)の一員としてスポーツ中の突然死の予防や教育、熱中症の予防などスポーツセーフティーの分野で研究・論文発表行う。また、ロードレースにおけるメディカルサポートの提供、国内外多数の学会やシンポジウムでの公演、啓蒙活動も行っている。アスレティックトレーナー/運動生理学者として、スポーツセーフティーの認識と実践レベルの向上、アスレティックトレーニングの教育に従事。NATA国際委員会委員、NPO法人スポーツセーフティージャパンのサイエンスアドバイザーを務める。
講義内容については決定次第お知らせいたします。
細川氏、Gribble氏以外にも素晴らしい講師陣を揃えております。その他の講師の情報も順次アップしていきますので、お楽しみに!
スポーツの秋、皆さまそれぞれの活動でお忙しい日々をお過ごしの
JATOの活動も21年目を迎え、次の新たなステージに向かう2
開催日時:2018年2月17日(土)、18日(日)
開催地区:大阪
開催場所:立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)
茨木駅からキャンパスは目の前!
大阪駅から快速で約13分
新大阪駅から快速で約8分
京都駅から約20分(高槻乗換え)
東京駅から乗り換え1回で所要時間約2時間50分
今回は2日間みっちりと国内外各方面からスポーツ、医学、健康の
新大阪からのアクセスもよく、関西圏外からも非常に参加しやすい
このシンポジウムを通して、ATCとしての役割、社会的認知の拡
これから講師情報なども随時アップしていくので、お楽しみにして
2018年2月17日、18日、立命館大学でお会いしましょう
立命館大学大阪いばらきキャンパスへのアクセス
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。朝晩は涼しい風が吹くようになり、秋の気配を感じるようになってきました。
さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、JATOの事務局長として長年JATOの発展に貢献していただきました八田倫子さんから心温まるお話を伺う事が出来ましたが、今月は、日本バスケットボール協会(JBA)のスポーツパフォーマンス部会委員長で、日本のバスケットボール界の底上げを担っている佐藤晃一さんのお話を聞くことが出来ましたので、是非一読下さい!!
JATO広報委員
How is everyone doing? A cool wind started to blow morning and evening, and it began to feel the signs of autumn.
Now, we have been introducing activities of JATO members who are active in the world as a relay format introducing project on every 15th of month through Facebook and Homepage (Blog
column).
Ms. Michiko Hatta who has contributed to the development of JATO for many years as Secretary-General of JATO was introduced and we were able to hear heart-warming story from her last month. We
were able to hear the story of Mr. Koichi Sato, who is responsible for raising the basketball world in Japan and Chairman of Japan Basketball Association (JBA) Sports Performance Group,
please read it.
JATO Public Relations Committee
We hope this post finds everyone well. The forecast reports that there will be a very strong typhoon coming in this weekend. We have heard that some games and events were postponed around Kyushu area. We hope everyone stays safe.
We have introduced JATO members to share their stories on our Facebook page and the web page (Blog Section) on the 15th every month.
Last month, we had a great interview with Mr. Izumi, the former JATO President. This month, we had another great interview with Ms. Michiko Hatta who have helped the development of JATO for years as the former JATO Bureau Chief. Please enjoy!
Atsuhiko Takehiko and Toshimitsu Ishizuka, JATO Public Relation Committee
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。今週末は非常に強い台風が北上してくるとのことです。すでに、九州の方では試合やイベントの延期という話も聞いております。皆様、早め早めの対策し、身をお護りください。
さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookとHomepage (Blog欄)で紹介しています。
先月は、前JATO会長の泉さんから心温まるお話を聞かせて頂きましたが、今月はJATOの事務局長として長年JATOの発展に貢献していただきました八田倫子さんから、貴重なお話をお伺いする事が出来ました。是非皆さんお楽しみ下さい!!
JATO広報委員 武井敦彦、石塚利光
皆さん、お元気でしょうか?
JATOでは、活動を支援して頂ける賛助会員を3つのカテゴリー(Sカテゴリー、Aカテゴリー、Bカテゴリー)に分けて募集をしております。
そこで、今回は“Bカテゴリー”についての詳細、そして協賛して頂いております9社のご紹介をさせて頂きたいと思います。
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① JATO賛助会員について
対象:本会の目的、趣旨に賛同し、援助するアスレティックトレーニング関連用品・サービスを扱う企業
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② 賛助会員B 年会費&特典
年会費 50,000 円
特典:
1. 当機構ウェブサイトリンクページへの社名・ロゴ掲載、リンク
2. JATO より会員向けに御社商品宣伝をメール配信(年 2 回)
3. JATOシンポジウムまたはセミナー参加者配布物への協賛社ロゴの掲載
4. JATOシンポジウムまたはセミナー参加者へ広告等の配布
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③ 賛助会員申し込み方法
以下URLを参照下さい。
https://www.jato-trainer.org/…/%E8%B3%9B%E5%8A%A9%E4%BC%9A…/
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④ 2017年賛助会員B企業紹介(順不同)
1. 株式会社R-body project
事業内容: スポーツ、健康施設の経営及び運営、スポーツ、健康施設の経営、運営及び開発に関するコンサルティング業務 など
URL: http://r-body.com/index.html
2. 株式会社タケコ―
事業内容: 衛生製品の企画販売 (スポーツウェア、スポーツ用具などの除菌・消臭製品、手指足用除菌・消臭ジェル)
URL: http://takeko.co.jp/
3. 株式会社リーチ
事業内容: アスレティックトレーナーに知識や技術だけでなく在り方も含めワークショップやセミナーを提供すると共に健康づくりに関するプログラム開発を行う
URL: http://www.reach4d.jp/index.htm
4. サンテプラス株式会社