第6回 JATO日本人ATCリレー形式紹介企画

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。今年も残すところあと1ヶ月半となり、日ごとに寒さを感じる季節になりました。選手やご自身の体調管理もより一層配る時期ですね。

さて、毎月15日にJATO会員の活躍をリレー形式紹介企画として、世界各国で活躍しているメンバーをFacebookHomepage (Blog)で紹介しています。
先月は、経験豊富な佐藤晃一さんならではのお話を聞かせて頂きましたが、今月はバイタリティ溢れる素敵な女性ATCであり、ラジオのパーソナリティーもされていらっしゃる市毛貴子さんから心が熱くなる素敵なお話をお伺いすることが出来ました。是非皆さんご一読ください!!

JATO広報委員

---アスレティックトレーナー(ATC)になろうとしたきっかけを教えて下さい---

「大学進学の準備をしていた頃、幼少時代からプロ野球選手を目指して頑張っていた弟が肩を壊しました。リトルリーグ、シニアリーグ、そして強肩を買われて茨城から横浜の野球の強豪校に入学しましたが、肩が完治せずに思い通りのプレーが出来ず3年の夏にチームが甲子園出場した時にはベンチにすら入れない状態でした。そんな苦しんでいる弟の姿や、完治させる為に全力を尽くしている両親をみていて私に何か出来る事はないかと思った事が第一のきっかけです。実際には弟を助ける事は出来ませんでしたが、『弟のように間違ったトレーニング方法で怪我をしてしまいスポーツを楽しめなくなってしまうyoung athletes(若手の選手)の力になりたい!』と強く思いました。」

---アメリカ時代の一番の思い出は何でしょうか?---

 

「私のアメリカ生活で最もインパクトがあった出来事は、南部のDivision1の大学でアシスタントアスレティックトレーナーとして雇用されて5年目の時に、給与の部分でフェアに扱われていない事に気付き同僚と共に申し出たところ、突然解雇されてしまったのですが、同僚達やその当時担当していたアメフトチームのヘッドコーチ、アシスタントコーチ、学生選手の抗議と署名活動のおかげで再雇用された事です。その一件でアメリカの表と裏を体験出来たと思います。裏の部分は未だに残っている人種差別問題。マイノリティーである事の厳しい現実。しかしながら、過ぎてしまった辛い事は実はあまり記憶に無く、“表の部分が心に残っています。コーチ達や学生選手達が私の必要性を説いてくれた事。同僚達が親身になって私をサポートしてくれた事。 一時は職を失い、日本に戻らなくてはならない状況だった時期、家族のように支えてくれた友人達。人として、アスレティックトレーナーとしてアメリカ社会に人種の壁を乗り超えて認められた!と、実感した瞬間でした。全てが落ち着いた後、親友であり同僚のATCから、あの状態を覆して実際に戻って来れた事は本当に凄い事だよ!と、感心された事は今でもはっきり覚えています。」

---現在の仕事内容を教えて下さい---

「アイデンティみらいサッカークラブチーム(茨城県つくばみらい市)の専属アスレティックトレーナーとして選手達の健康管理、リハビリとフィジカルコンディショニングを担当しています。 空いている時間にパーソナルトレーニング、すなわち、お客様一人一人のパーソナルアスレティックトレーナーとして、それぞれの身体の悩みを解消して効率の良い機能的な身体の使い方を指導させて頂いています。その他、週一でマルバサッカースクールにて小中学生にストレッチなどの指導や月一で県立高校女子サッカー部のフィジカルコンディショニング指導、都内のストレッチサロンのトレーナー達への指導を行なっています。今年はFM放送のパーソナリティーとして生放送 2時間を担当させて頂いており、そこでアスレティックトレーナーとしてのお話をもりこませております。」

 

---現在の1日の流れを教えて下さい---

 

 「基本的に午前中はつくばみらい市にあるアイデンティみらいのグランドで活動し、 夕方からパーソナルトレーニングなどの仕事をしております。」

---市毛さんにとってJATOとはどのような存在でしょうか?---

「実は私は19966月にフロリダ州オーランドで行なわれたJATO設立総会に学生会員として親友(悪友?)3人組で参加させて頂きました。怖いもの知らずの学生時代、 設立総会には場違いの学生3人組だったと思います。それ以後、アメリカ在住中は JATOは唯一の日本社会との架け橋であり、帰国後はフリーランスで働いている私にとっては仲間に会えて情報交換の出来るアスティックトレーニング・ルームのような存在です。

 

---JATOに加入するメリットを教えて下さい。---

NATA公式アフィリエイトであるJATOの会員でいることは日本に在住しながら、NATAを身近に感じることが出来ること、資格保持(継続単位CEU習得など)のサポートが充実していることです。アメリカ在住の場合は、帰国してから日本社会への移行(就職活動や情報交換など)を行い易くして下さっていると思います。」

 

---これからATCを取得してアスレティックトレーナーを目指している学生にメッセージをお願いします。---

「情報が溢れている今の時代、そして日々研究や発明のおかげでこの分野は日進月歩です。常に正しい情報を取り入れられるように知識と経験を積む事が大切だと思います。そしてアスレティックトレーナーという職業は、その時々向き合っているアスリートもしくはクライエントさんに多大なる影響をあたえる事になるので、常にフェアな姿勢を保つために確固たる倫理観と哲学を育てる事が重要だと思います。 最後に、どんな環境でも情熱を持って勉学に励み経験を積む事で最高のアスレティックトレーナーである誇りが生まれると想います。

最後に私の大好きな言葉を送ります。『置かれた場所で咲きなさい!』by渡辺和子」

 

市毛さん、お忙しい中インタビューにお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。市毛さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組を聞いてみたくなりました!

(*放送局はFMUU85.4で、番組名は「ぎゅぎゅっとラジオ854」。通常は第5金曜日の13時~15(再放送20時~22)のようですが、年末の放送予定は未定のようです。番組予告はこちらhttp://fmuu.jp になります。)

 

次回は、市毛さんから、「母として、妻として、凛々しく賢いアスレティックトレーナーです!」とご紹介していただきましたあの方をインタビューさせていただきたいと思います。是非しみにしていて下さい!!