
7月5日の早稲田大学でのEvidence-Based Practice (EBP) セミナーに続き、57名の方々にご参加いただき、東京有明医療大学にて第2回目のEBP セミナーが開催されました。
午前中は、九州共立大学 スポーツ学部 准教授 篠原純司先生より、「科学的根拠に基づいたアスレティックトレーニングの実践とは」の演題にてエビデンスをいかに評価し、実践に取り入れるかについて、具体的なご講義をいただきました。
午後は、(米)ケンタッキー大学 博士研究員の寺田昌史先生より「慢性足関節不安定症における現代モデルの融合-科学的根拠に基づくアプローチ」の演題にて足関節捻挫の分野における最新の研究とエビデンスについてご講義をいただきました。
アスレティックトレーニング領域において、今後ますますEBPのコンセプトの理解と実践への応用が進むことが期待されています。
JATOは今後も様々な機会を通してアスレティックトレーニングの発展に貢献したいと思います。
Evidence-Based Practice Seminar 7/25
日 時: 7月25日(土) 10:00~15:00(昼休憩1時間)
会 場: 東京有明医療大学 3階大講義室
CEU:BOC EBP 4.0
篠原 純司, PhD, ATC, CSCS
所属:九州共立大学 スポーツ学部 スポーツ学科 准教授
「科学的根拠に基づいたアスレティックトレーニングの実践とは」
“How Does Evidence-Based Practice Apply to Athletic Training? ”
概要: 2011年に全米アスレティックトレーナーズ協会(NATA)より発行された「Athletic Training
Education Competencies 5th Edition」では、アスレティックトレーナーの養成課程にて教育されるべきEvidence Based Practice (EBP)に関する14項目が示され、教育現場においても臨床現場においてもEBPの重要性が強調されるようなった。我が国においても2012年に日本ア
スレティックトレーニング学会が設立されるなど、現場と研究成果の融合を目指した「アスレティックトレーニング学」の体系化が進められている。本講義で は、アスレティックトレーナーが知っておくべきEBPの基礎的知識と実践への応用について述べたい。
寺田 昌史, PhD, ATC
所属:ケンタッキー大学大学院健康科学・リハビリテーション学研究科 アスレティックトレーニ ング研究室 博士研究員
「慢性足関節不安定症における現代モデルの融合-科学的根拠に基づくアプローチ」
“Integrating Contemporary Models of Health in Chronic Ankle Instability - Evidence-Based Recommendation.”
概要:根拠に基づく臨床実践のため、帰結評価指標(Outcome Measures)を用いて治療効果を判定することは重要である。本講義の前半では、世界保健機関 (WHO) が採択した国際生活機能分類 (International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)
を基に、健康に関する状況・健康に影響する因子を深く理解するため帰結評価指標の使用の重要性を述べる。講義の後半では、スポーツ現場にて発症頻度が高 く、多くのアスレティックトレーナーや医療関係者が対応に苦慮するスポーツ傷害の一つである慢性足関節不安定症(Chronic Ankle Instability:
CAI)を症例にして、目の前の患者・アスリートに適切な帰結評価指標の有効利用法について紹介する。
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